キャストの人権は守られていたのか……

社会現象になった『ユーフォリア』、制作クルーが「地獄のような環境」告発! ドラッグやセックス……過激シーンに疑惑 

2022/03/09 13:21
堀川樹里(ほりかわ・じゅり)
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ヌードシーンの撮影に不安を感じたと吐露したミンカ・ケリー(写真/Getty Imagesより)

 ソーシャルメディア社会で生きるティーンが、ドラッグ、セックス、アルコール、バイオレンスに溺れ葛藤する姿を生々しく描き、全米で社会現象を巻き起こしたドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』(以下、ユーフォリア)。

 同作シーズン2のエキストラやクルーが、撮影現場は「地獄のように最悪」な労働環境だったと告発した。放送局は「キャストやクルーのウェルビーイングを最優先している」と主張するが、制作現場の劣悪な環境を告発する者が後を絶たず、改善を求める声が高まっている。



 今回の告発を伝えたのは、政治とポップカルチャーを扱うニュースサイト「デイリー・ビースト」。複数のエキストラやクルーから、「撮影現場では食事やトイレのための休憩がきちんと設けられていなかった」こと、残業で1日18時間働かされることもあったこと、日の入りに開始した撮影が徹夜作業になり、夕方始まった撮影が、深夜〜翌朝まで続くこともあったと、「休憩なしの残業」が当たり前のように行われたと告発した。


 エキストラの一人は、「有害だなと感じた。この撮影現場にいて幸せだと誰一人として感じていないと思った」と証言。『ユーフォリア』で働く組合員から多数の苦情報告を受け、全米映画俳優組合の代表が自らロサンゼルスの撮影現場に赴き、規約が守られているか確認する、深刻な事態であると同サイトは伝えている。



 なお、組合のその規約には「6時間ごとにクルーやキャストに休憩をとらせ、食事を与えなければならない」などとあるそうだが、『ユーフォリア』の撮影現場では、空腹のまま待機させられたエキストラが多数いたとのこと。



 「自分はただのエキストラ。主要人物ではないと理解している」「でも『私も人間だけど!』って思わされるほど劣悪なレベル」「お願いだからトイレに行かせて、『あと30分我慢しろ』って言わないで、朝の4時なのに、軽食も食べさせてもらえない…… 私たち(エキストラ)は人間として扱われてないんだなって、強く感じた」などと人権に関わる問題だと不満をぶちまけた者もいた。



 こうした告発を受け、同作を放送しているHBO局は、米エンタメ誌「ハリウッド・リポーター」の取材に対して、『ユーフォリア』のプロダクションは、「キャストやクルーのウェルビーイング(心身ともに幸福で健康であること)を最優先して撮影を行っている」「安全指針と組合の規約にのっとり、制作を行っている」と主張。



 その上で、「ドラマの撮影には多くの手間がかかるものだ。それに新型コロナウイルス防疫策プロトコルが加わり、さらに手間が煩雑になってしまった」と、“手間”を不満に思ったクルーやエキストラがいたのではないかと釈明した。



 全米映画俳優組合からの調査を受けたという報道に関しては、「全米映画俳優組合を含み、同組合を含む各組合と良好なコミュニケーションを保っている」「正式な調査を受けたことは一度もない」と否定した。



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