【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇室を揺るがす衝撃「逮捕劇」! 皇后の女官長、“神のお告げ”に洗脳され……知られざるアウト皇室史

2021/01/23 17:00
堀江宏樹(ほりえ・ひろき)

 皇室が特別な存在であることを日本中が改めて再認識する機会となった、平成から令和への改元。「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! 前回まではこちら。

新年一般参賀に望まれた昭和天皇(gettyimagesより)

宮中のエリート女官、島津ハル

――今回からは「女官」をテーマに皇室史を掘っていくんですよね。スキャンダラスな話に期待しつつ、でも失礼に触れないようだとうれしいんですが……(笑)。

堀江宏樹(以下、堀江) 実際に、戦前・戦後直後の日本には「不敬罪」という罪がありました。天皇やその一族である皇族に失礼があると逮捕され、罰せられてしまったのです。神社や御陵を荒らすことも不敬罪となりました。

――最近、タイでも王政反対のデモに不敬罪が適用され、軍隊が出動していますよね。いろいろと大変そうです。戦前の日本では、天皇制に反対する活動家が主な対象だったのでしょうか。

堀江 そうなのですが、今回はあろうことか宮中の女官に、不敬罪の逮捕者が出てしまったという衝撃の「島津ハル事件」についてお話ししようと思います。

 昭和11(1936)年、正確には元・女官長の女性が不敬罪で捕まるという皇室を揺るがす大事件が起きてしまっているのですね。

――女官長! 活動家のイケメンのハニートラップに、たぶらかされてしまったのでしょうか?

堀江 いや、そういう話だと、夢がある気もするんですが、新興宗教絡みなんですよ。

 さっきハニートラップの語が出たけれど、戦前・戦後すぐの女官社会は外部から切り離され、閉鎖的な空気が漂っていたと思います。女官としての幸せと、女性としての幸せは両立しないイメージもありますよね。

 しかし、今回お話しする島津ハル(島津治子)は、すべてを手に入れた女といってもよいほど、盛運な人生を送ってきました。

――どんな方だったのか、ぜひお聞かせください!

堀江 島津ハルは、幕末の薩摩藩主・島津斉彬の孫にあたる貴婦人です。島津家は明治以降も鹿児島県のリーダー的存在で、島津ハルも教育者として有名でした。

 30代の若さで、私立鶴嶺女学校を創設、後には三代目校長にもなりました。業績が低迷していた女子校を志望者多数の人気校に仕立て上げ、付属の幼稚園まで作ったところで、業績を買われ、宮内省(※当時)に入ることになったのです。

 大正12(1923)年のことでした。不人気の女子校の業績をV字回復させるって、アニメ『ラブライブ!』を思い出してしまいますが、実際には難しいはず。それを成功させてしまうなんて、すごい女性だったのです。

――そんな島津ハルさんの人生が変わるのが、宮内省からのスカウトであった、と。

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