知られざる女子刑務所ライフ100

コロナ禍で大麻樹脂等は3割増、シャブは8割減! 元ポン中が語る「違法薬物取締事情」

2020/09/20 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)
東京湾岸警察署

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

記念すべき100回目のテーマは大麻

 おかげさまで連載が第100回を迎えました! ほんまにありがとうございます!

 記念すべき今回のテーマは芸能界の大麻ブームと、「非の打ちどころのないエリート芸能人が『人間のクズ』で驚いた件」にします。そう、イケメンで国立大卒の、伊勢谷友介さんの問題です。

 瑠美はテレビをほとんど見ないので知らなかったのですが、前から恋人への暴力は問題やったのですね。それにしても、夕刊紙のタイトルすごくないすか?

 「伊勢谷友介容疑者に噴出する“人間の屑”エピソード」。たしかに大麻よりもDVのほうがよっぽど問題ですけどね。彼女をエアガンで撃ちまくって、殴る蹴るで顔面陥没骨折て、ヤクザでもなかなかやりませんよ。長澤まさみさんとか広末涼子さんとか、森英恵の孫とかも、そんなことをされてたんかなーと心配になるのは、瑠美だけやないですよね。まあ「もらい事故」ちゅうか「有名税」ですね。

 大麻は合法の国や地域もあって、誰かパクられると、必ず「大麻解禁論」も出ますしね。それやからみんな懲りないんですが、アカンもんはアカンです。

大麻よりDV問題で芸能界復帰はムリ?

 しょせんは大麻で初犯やないですか。伊勢谷さんは執行猶予で、しばらくしたら、また復帰しますよね。まあ伊勢谷さんの場合は、大麻よりDVが足を引っ張るかもしれませんが、ウワサなんかすぐに消えますよね。

 今回は、「情報提供」つまりタレコミがあって、組対5課(警視庁組織犯罪対策5課)がめちゃ内偵をして、ゴミまであさったそうですね。怖いです。タレ込んだのは、かなりの確率で元カノですよね。

 それにしても伊勢谷さんのおうちに警察が踏み込んだ時にブツがあったのはすごいですね。普通は巧妙に隠してますから、簡単には出てきませんよ。

 瑠美が大好きな清原和博さんの場合は、踏み込まれた時に注射器を持ってたらしいですが、ドラマチックすぎて、実は瑠美はちょっと疑ってます。

 ちなみに伊勢谷さんがパクられた(逮捕された)時に「弁護士が来るまでしゃべらない」言うたそうで、ネットでは「ふてぶてしい」的な話になっているようですが、これは当然の権利ですから、皆さんも覚えておいてください。警察と検察は取り調べのプロですから、シロウトが余計なことをしゃべったらアカンのです。まあそれ以前に、パクられないようにしたほうがええですね。

コロナでも大麻の摘発は増加中!

 それにしても、大麻は不動の人気ですよね。そんなに罪悪感はないんでしょうね。瑠美的には、大麻は物足りなかったんですけどね……。もちろん、今はやってないですよ(笑)。

 今年の1月から6月のクスリ(違法薬物)の取り締まりでも、コロナのせいでシャブ(覚醒剤)は激減してるのに、大麻樹脂等は増えてるんですね。大麻樹脂等は約3割増で、もう2019年分を超えているそうです。あとは「MDMA」(合成麻薬)とコカインも2倍以上やそうです。そして、なんとシャブはまさかの約8割減(苦笑)。やっぱり飛行機が飛ばないからですかね。まあ国内のストックはまだあるはずで、今の値上がりは「便乗値上げ」を疑ったほうがええですよ。ちゅうか、シャブはやったらアカンですから。

 毎回同じ結論ですんませんが、これからもよろしくお願いします。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2020/09/20 19:19
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