海外
大スターが出演する駄作映画

「ヌード以外いいとこなし」「ドラゴンボールファンに謝れ!」酷評まみれの“恐るべき駄作”7作

2020/07/14 19:30
堀川樹里(ライター)

『カットスロート アイランド』 [DVD]

 名門ボストン大学卒業後、劇団を経て、モデル、テレビ女優、映画女優と着実にキャリアを積み上げたジーナ・デイヴィス。『偶然の旅行者』(88)でアカデミー助演女優賞を獲得し、『テルマ&ルイーズ』(91)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど実力派として認められたのだが、その輝けるキャリアを一瞬にして潰したのが『カットスロート・アイランド』だ。

 同作は17世紀のカリブ諸島を舞台に、美しい女海賊が伝説のお宝を探すため大冒険を繰り広げるという壮大な物語で、『クリフハンガー』(93)のレニー・ハーリン監督がメガホンを取った。クルーも一流ばかりで、製作会社は『ランボー』初期3作品や『ターミネーター』初期2作品を手掛けたカロルコ・ピクチャーズ。製作費は破格の9,800万ドル(約105億円)で、次から次へとド派手な爆破シーンを撮影し、迫力満点の映画に仕上げた。

 海賊映画の金字塔『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの8年前に公開され、なおかつ“女海賊が首領”というガールズパワーを描いた本作は、時代を先取りした感もある。しかし、この時ジーナは39歳。当時は「おばさん海賊なんて……」と食指の動かない人が多く、興行収入はたったの1,000万ドル(約10億円)。同年公開された『ショーガール』が大コケし、この2作品を製作していたカロルコ・ピクチャーズは倒産に追い込まれ、ジーナの女優としてのキャリアは一気に低迷してしまった。

 なお、本作は『ショーガール』のおかげでラジー賞は免れたものの、12年にギネスに「最も興行赤字が大きい映画」に認定されている。

 ジーナは05年にテレビドラマシリーズ『マダム・プレジデント~星条旗をまとった女神』で女性大統領を熱演し、ゴールデングローブ賞・主演女優賞を獲得するなど復活の兆しも見られたが、同作はわずか1シーズンで打ち切りになってしまった。

マイク・マイヤーズ 『愛の伝道師 ラブ・グル』(2008)

『愛の伝道師 ラブ・グル』 [DVD]

 ロック好きにはたまらないおバカ映画シリーズ『ウェインズ・ワールド』(92)、下ネタやパロディ満載のコメディ映画シリーズ『オースティン・パワーズ』(97~02)で世界的人気を博したマイク・マイヤーズ。脚本や製作も手掛け、マルチな才能を持つマイクのキャリアを潰したのが、『愛の伝道師 ラブ・グル』だ。

 同作は、「インドで修行を積み、愛の伝道師となったアメリカ人ピトカが、ひょんなことから知り合った米アイスホッケーチームでドタバタを繰り広げる」というマイクのお得意路線なのだが、最初から最後までレベルの低い下ネタばかりで、公開直後から「あまりにも寒い」と酷評されるように。「Rotten Tomatoes」の評論家スコアはたったの14点で、「製クルーの中で誰も指摘する人はいなかったのかというほどの内容のなさ」「『ちんこ』『うんこ』を連呼し、クオリティの低さに怒りを通り越し、失笑する」とコキ下ろされた。

 グル(導師)のおしっこに浸したモップを武器にして戦うなど、あまりにも悪ふざけしていることに、寛大なヒンドゥー教徒たちも激怒したと報道された。興行成績も振るわず、マイクのイメージは一気に悪くなったのだ。

 「美人女優ジェシカ・アルバが登場するシーンが唯一見られるシーンだった」と言われた本作は、ラジー賞に7部門もノミネートされ、最低作品賞、最低脚本賞、最低男優賞を受賞。マイクは、今では「あの人は今」状態になってしまった。

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