“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第511回】

坂上忍『バイキング』打ち切り報道、本当の原因はパワハラではない? “きな臭い背景”

2020/06/16 21:00
神林広恵(ライター)
「週刊女性」6月30日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 れいわ新選組の山本太郎氏が東京都知事選挙への出馬を表明した。その出馬会見は圧巻だった。現職の小池百合子知事が圧勝と見られているが、さあ、どうなるか。宇都宮健児氏は? 久々に選挙が楽しみになってきた。

第511回(6/11〜6/16発売号より)
1位「フジテレビ名物2大番組相次いで終了へ……坂上忍のワンマンパワハラに“もう限界”」(「週刊女性」6月30日号)
2位「渡部建 妻佐々木希を欺き続けた『セックス依存』『他人は道具』の闇王子」(「週刊女性」6月30日号)
参照「渡部建『チャラ乱倫』『それでも離婚しない』佐々木希の悲愴」(「女性セブン」6月25日号)
3位「中居正広『ランナー』 松潤『嵐の恩返し』 『24時間』激突 これは『テレビ史上最大の作戦』だ」(「女性セブン」6月25日号)
※「女性自身」は合併号休み

 なんともきな臭い。「週刊女性」による情報番組『バイキング』(フジテレビ系)の打ち切り報道。記事によると、司会の坂上忍のパワハラがどんどんひどくなり、共演者からも不満の声が。さらにスタッフ2人が体調不良で休職しているが、それも坂上のパワハラが原因ではないかというのだ。

 たしかに、ここ最近でも坂上批判がメディアやネットで散見できる。でもなぁ。というのも、『バイキング』はコロナ感染拡大以降、政権に対する批判を強めていた。それは情報番組としては、しごくまっとうだと思うが、しかし、現政権下ではそうではない。しかもこのコロナ禍の状況下では。

 というのも、新型コロナ対応の後手後手ぶりに安倍政権への批判が集まっていた3月頃から、安倍政権はマスコミへの監視・圧力を強めてきたから。特に情報番組に対して。たとえばコロナ問題で舌鋒鋭い指摘をしている『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)なども、マスク問題で厚生労働省、内閣官房、自民党広報のSNSなどで一斉にイチャモンをつけられ、しかし実際は『モーニングショー』のほうが正しかったというトンデモ事件まで起こっている。また『サンデーモーニング』(TBS系)も自民党議員やネトウヨから攻撃を受けたり、放送のたびに炎上しているのでは、というありさまだ。

 それだけではない、内閣府、外務省や厚労省などもコロナ政策への批判チェックに莫大な予算を投じて、政権への批判を封じ込めようと躍起になっている。官邸、自民党もしかり。そんな中、政権批判を強めている『バイキング』の打ち切り報道だ。なんだかとっても怪しい。

 記事ではフジテレビ、そして坂上本人にもその真偽について聞いているが、双方、完全否定。しかも坂上は「週女」の直撃にこう答えている。

「何にせよ、数年前の記事と今回あなたが聞いてきたこと(坂上のパワハラが原因で番組が終了)を結びつけるのは、無理筋だと思いますよ」

 そう、パワハラ問題は2年ほど前にいくつか報道されたもの。それを今になって、という坂上の反論は的を射てもいる。ネガティブ情報が噴出してきた感の『バイキング』だが、番組終了情報は、なんともきな臭い。

おまえの代わりなんていくらだっている 覚悟の仕事論 新潮新書 / 坂上忍 〔新書〕
いろいろ異常
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