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映画のタイトルは『Songbird』

『アルマゲドン』のマイケル・ベイ監督、「ウイルスが変異して深刻な状況になった2年後の世界」を描いたパンデミック映画を製作

2020/05/22 18:06
堀川樹里(ライター)
まるで映画としか思えない現実が続いているけれど……

 3月13日、新型コロナウイルス感染拡大防止を強化するため、トランプ大統領が国家非常事態宣言を発令したアメリカ。その後、各州知事が感染拡大対策のため自宅待機命令を出し、大都市ではさらに強硬な措置である「ロックダウン(都市封鎖)」が発令された。スーパーやガソリンスタンド、銀行など生活に必要不可欠なビジネスの営業のみ可となり、大都市や観光スポットから人が消え、まるでゴーストタウンのようになった。

 4月下旬になると、仕事や収入を失い、不安といら立ちを募らせた人たちが、自宅待機令の解除と経済活動の再開を求める抗議デモを全米各地で行うように。それに応えるかのように、5月20日までに、多くの州や地区で自宅待機令の解除/緩和がなされた。しかし米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、現地時間22日午前9時の時点で、アメリカの感染者数は157万6,0000人以上、死者数は9万4,500人を超え、世界最多。解除後も、新規感染者数は減っていない州が多い。ロサンゼルス郡などは自宅待機令を7月まで延長するといい、終息はまだかなり先の話だと絶望的なムードが漂っている。

 そんな中、多くの世界的ヒット作を持つ映画監督マイケル・ベイが、パンデミックをテーマにした作品をロックダウンが続くロサンゼルスで製作すると報じられた。

 米ニュースサイト「Deadline」によると、映画のタイトルは『Songbird(ソングバード)』で、「ウイルスが変異し続けるため、再びロックダウンされてしまった2年後の世界」を描くとのこと。「変異し続けることでウイルスは感染力が増し、病原性も強まり、今まで以上に深刻な状態のパンデミックが続いている」という設定で、政府の陰謀やロックダウン生活を強いられる登場人物の心理状態などが描かれるという。

 撮影はソーシャル・ディスタンスを守り、キャストやスタッフの安全重視で行われるとのこと。撮影を行う部屋に人が一緒に入ることはなく、俳優たちが顔を合わせるシーンもないとのことだ。俳優やスタッフの労働組合からすでに許可は下りているそうで、撮影は5週間以内に開始される予定。ロックダウンが続くロサンゼルスで撮影される、初の映画になりそうだ。

 マイケル自身は監督せず、大手映画会社パラマウント元代表のアダム・グッドマンが立ち上げた製作会社インビジブル・ナラティブズと共同でプロデュースするとのこと。監督は、テレビドラマ『Into the Dark』(2018)などのホラー/スリラー映画を得意とするアダム・メイソンが務め、大手製薬会社の薬害問題を描いた映画『ブラック・ファイル 野心の代償』(16)で知られるサイモン・ボーイズと共に脚本を担当する。

 『アルマゲドン』(98)、『トランスフォーマー』シリーズなど、数多くの大作映画を手掛けてきたマイケルだが、実はすでにパンデミック作品を製作している。14~18年まで米TNT局で放送されていたテレビドラマ『ザ・ラストシップ』だ。

 ウィリアム・ブリンクリーの同名小説をもとに製作された作品で、「世界中にまん延した、致死率が高いウイルスから人類を救うべく、極秘任務で航海中だったため、ウイルス感染の難を逃れたアメリカ海軍の中佐とウイルス学者が、航海を続けながらワクチンを開発する」という物語。マイケルが得意とするアクションシーンは少なめだが、未知のウイルスの恐怖やパンデミック下での人間模様が丁寧に描かれており、ヒット作となった。

 再び同様に、緊迫感あふれるスリラーになるという『Songbird』。アメリカでは新型コロナ感染拡大に伴い、銃の購入者急増が話題になったが、そのようなアメリカ人ならではの心理描写も描かれるものとみられている。

 現在キャスティングの最中だと伝えられているが、マイケルは『トランスフォーマー』で一緒だったミーガン・フォックスが、「人種差別的な発言でスティーヴン・スピルバーグの逆鱗に触れ、業界から干された」とウワサされていた頃に、製作に名を連ねた『ミュータント・タートルズ』(14)に出演させて大作復帰の手助けをしたことがある。そのため、「ミーガンが出るかも!?」とネット上は大いに盛り上がっている。

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2020/05/22 18:06
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