コラム
オンナ万引きGメン日誌

さっき捕まえた「ヨーダ似の老婆」舞い戻ってきた!? 万引きGメンの「世にも奇妙な物語」

2019/11/30 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

(一件挙がって、カッコもついたし、後半はゆっくり回ろう)

 所轄警察署における逮捕手続きを終えて、食事休憩を済ませて店内に戻ると、先程まで隣の取調室で喚いていたヨーダの姿が目に入りました。

(意外と早く解放されたみたいだけど、何をしにきたのかしら? 謝罪に来るようなタイプではないし……)

 一度捕らえた被疑者に、私から声をかけることはありません。報復を始め、何が起こるかわからないので、気付かれないように姿を隠して、動向を見守るのがセオリーなのです。目的がわかるまで行動を注視すると決めて、遠巻きにヨーダの行動を見守っていると、伊達巻やさつま揚げ、ウインナー、梅干しなど、朝に盗んだモノと同じような商品ばかりをカゴの中に放り込んでいきます。確か、彼女の所持金は、300円ほどしかなかったはず。状況が変わっていないとすれば、カゴの中の商品を買うことはできません。

(ちゃんと払えるのかしら?)

 あたりまえの疑問を胸に注視を続けると、しきりと後方を振り返りながら死角通路に入ったヨーダは、左手首にかけたトートバッグの中に商品を隠し込みました。なにひとつ商品を買うことなく、またしても盗むだけ盗んで店の外に出たヨーダに、言い知れぬ怒りを堪えて声をかけます。

「あなた、さっき捕まったばかりなのに、なにやってんのよ」
「へ? あんた、なんだい? 知らないよ」

 同じ人を複数回捕捉することは、さほど珍しいことではありません。過去には、半年くらいの間に、合わせて8回も声をかけさせられた痴呆症の常習老女もおられました。しかし、半世紀近いキャリアの中でも、1日のうちに同じ人を2回捕まえた経験はありません。

「あなた、よく言うわねえ。とにかく、お金払ってもらわないと」
「ああ、はいはい」

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