芸能
[コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り

SHINee・EXO・NCTの「SuperM」は楽曲もスゴい! K-POPの「Juke」に驚嘆のワケ

2019/11/03 19:00
e_e_li_c_a

 「Ghetto House」はBooty Houseとも言い、1992年頃に先述のMiami BassとChicago Houseが影響しあって誕生したジャンルです。「Ghetto」というアフリカン・アメリカンのスラングで貧困地域(転じて治安の悪いエリア)を表す単語が入っているように、Gangsta RapやMiami Bassなどの影響などもありHouse Musicに過激な歌詞が入った曲が登場するようになり、そのおかげでゲットーの男性たちがHouse Musicを聴いてもダサくないというような風潮になっていきます。

 この曲は耳で拾えるだけでも、かなり過激な歌詞がたくさん入っていることがわかると思います。

■DJ Funk – There’s Some Hoes in This House

 Dance Maniaというレーベルが中心となりDJ Funk, DJ Deeon, Traxmen, DJ Milton, DJ Slugoなどがたくさんの曲をリリースしていくなか、94年リリースのこの曲で初めて「Ghetto House」というフレーズが出てきたそうです。どのジャンルもそうですが、黎明期から音楽ジャンルの名前が付いていることは少なく、ある程度時がたってから「あのムーブメントを括って、こういうジャンルと呼ぼう」となることが多いと感じます。

■DJ Funk – Follow(Getto House Mix)

 Dance Maniaの看板アーティストとして君臨したDJ Slugoが、後のインタビューで「Ghetto Houseはビッチのために作っていた。クラブで女とエロいダンスをするための音楽だ」と語っていたことからも、GhettoやBooty(お尻)などのキーワードがジャンル名に入るのも頷けます。

 90年代前半にGhetto Houseはフットワークと呼ばれる、足を高速で動かすダンスと共に発展し、その盛り上がりからGhetto HouseのBPMもどんどん速くなり、2000年頃になるとChicago JukeやJuke Houseという名前で「Juke」というジャンルが確立し、さらにそこからJukeのキックドラムがなくなり、「Footwork」という音楽ジャンルとして派生していきます。

 ダンスとしてのフットワークは見てもらうのが一番早いと思いますが、曲もFootworkという音楽ジャンルで有名なプロデューサーのものをたくさん使っており、感覚的にわかりやすいと思います。

 Jukeの特徴はリズムとダンス。BPM80、120、160を行き来します。一般的なHouse Musicなどは、120~130ぐらいで、1分間に120回首を振れると言ったらわかりやすいでしょうか。

 クラブミュージックのジャンルは、大体このぐらいのBPMとジャンルでざっくり決まっていることが多い中、Jukeは一定していません。というのも、ドラムがトラックのメインになっており、ハイハット・キック・スネア――どれを全面に出すか、どういう刻み方をするかで、人によって拍の取れ方が変わってくることも多いです。そこが逆にリズムに乗りづらく、ジャンルとして掴みづらい、難解という印象になることもわからなくもないです。

 こちらはダンスバトルの動画ですが、RP BooとTraxmanがDJをしていて、いろいろなJukeの曲が聴けます。なんとなくJukeに対してのイメージが掴めるかと思います。

 日本でもBooty Tuneなどのレーベルが、クラブシーンで活発にJuke/Footworkを広め、Traxmanのアルバムリリースに合わせて作られたドキュメンタリーもあるので興味がある方は見てみて下さい。

 2013年にはNHK BSでEXILEのTETSUYAが本場シカゴに乗り込み、Footworkバトルをするという番組も放送され、ダンスシーンでも注目されていきます。

関連曲‖K-PopにおけるJuke曲

 ビートが主体なこともあり、ポップスに取り入れるのは難しいため関連曲は少ないですが、最後に日本のシーンとK-PopでJukeを取り入れた楽曲を紹介します。

■Boogie Mann running through with Tavito Nanao – Future Running

■EVERGLOW – Bon Bon Chocolat

この曲は連載を始めた一番最初の5月の記事でも取り挙げましたが、ほんの一瞬、最後の3:33あたりにJukeのビートが聞こえます。

<落選したけど……紹介したい1曲>
■TWICE – Fake & True

先月メインで取り上げたTwiceですが、日本の楽曲が前作の「Breakthrough」あたりから、「日本語楽曲はダサい」という今までの固定概念は何だったのか、というほど正解を叩き出しており、韓国での楽曲も含め独走しています。

<近況>
私が熱を上げて追っている(いた)グループのメンバーがどんどん脱退していくんですがどういうことでしょうか…。ラウンちゃん…ファルくん…ミンくん…ウジニヒョン…みんなどこに行ったの…

e_e_li_c_a
1987年生まれ。18歳からDJを始めヒップホップ、ソウル、 ファンク、ジャズ、中東音楽、 タイポップスなどさまざまなジャンルを経て現在K-POPをかけるクラブイベント「Todak Todak」を主催。楽曲的な面白さとアイドルとしての魅力の双方からK-POPを紹介して人気を集める。

Twitter @e_e_li_c_a TodakTodak 
mixcloud eelica

最終更新:2020/10/01 11:34
アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  2. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 体育会系幼馴染は世界一の溺愛男子~全人類の好感度がある日見えたリケジョの私~
  5. 淫魔上司は不器用な溺愛男子~インキュバスが魅せる激甘淫夢は人外の快感~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト