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海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル』7つのトリビア――「原作ではモイラは白人で、エミリーは名無し」「ジェーンの部屋に隠された意味」

2019/09/28 18:00
堀川樹里

 常に真っ赤なドレスを着用している侍女たち。これは、生殖能力、生命に不可欠な血液の色をイメージしたもの。衣装デザイナーのナタリー・ブロフマンは、米誌「InStyle」に「情熱、力、勇気を意味する色」と説明している。一方で、不審な行動や逃亡などした際に、すぐに見つけられるように目立つ色、という意味もあるのだとか。また、侍女は外出時に濃赤のクロークを着て、白の帽子をかぶることが義務付けられている。白は純粋と純白の象徴だが、彼女たちの顔を隠す「真っ白なお面」の意味もある。

 司令官の妻たちはピーコックブルーのドレスを着用しているが、これは聖母マリアが身にまとっているガウンの色をイメージしたもの。ほかに「従属」という意味が込められている。彼女たちは、男尊女卑のギレアドにおいては、侍女やマーサとさほど変わらぬ低い地位にいる。この色は、そんな彼女たちの不幸、悲しみ、落ち込みを表す色でもある。

 年齢が高めのマーサたちが着用するマットグリーンは、自然、成長、健康、治癒などを象徴する色。彼女たちは家事だけでなく、子育てや、家の者が病気になれば看病をする役割を担うため、この色になったと思われる。

 なお、リディアおばなど、ギレアドに貢献するおばたちが着用している茶色の衣服は、第一次世界大戦時の米陸軍の軍服をイメージしたもの。権力を意味する色でもある。

5)エミリーが同性愛者という設定はドラマ版のみ

 物語の主要キャラクターである、侍女のエミリー。原作では、侍女名である「オブグレン」としか表現されず、本名やバックグラウンド、どのようにしてメーデー(ギレアド抵抗勢力)に加わったかなどは一切明かされていない。しかし、ドラマ版では「詳しく書かなければならないキャラクター」だと判断され、原作にはない次のような設定を作った。

 ギレアドは同性愛を「重罪」とし、同性愛者たちを次々と処刑していったが、エミリーは生殖能力があったため、侍女として生かされた。そして、派遣された家のマーサと恋仲になり、彼女を通して、隣国カナダに亡命するための活動をするメーデーとつながりを持った。しかし、マーサとの関係が明るみとなり、生殖能力のないマーサはあっさりと絞首刑に。エミリーは「罰」として女性器切除(女性割礼)手術を施され、性行為による快楽を、二度と感じられなくされてしまった。

 同性愛者とすることで、エミリーのギレアドに対する強い憎しみの要因が明確になった。それだけでなく、ギレアドがいかに非人道的な政府であるかを際立たせる効果も得られたと、新たな設定は概ね評価されている。

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