コラム
知られざる女子刑務所ライフ65

元女囚が語る「経産省キャリア官僚」が覚醒剤にハマったワケ――エリートは“いいお客さん”?

2019/05/19 16:00
中野瑠美

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■マダム雑誌「STORY」から取材を受けました

 サイゾーウーマン編集部のご厚意で好き勝手なことを書かせていただき、それが本になってもいるんですが、さらに本を読んでくださった方から、取材のオファーもいただいております。本当にありがたいことです。
 岩波新書も想定外でしたが、先日は、なんとマダム雑誌「STORY」(光文社)の取材をいただいてしまいました! カメラさんからポーズの指導まで受けてしまい、なんかもう「アタシって、女優?」みたいに舞い上がりましたが、もちろんテーマは「依存症」……。まあワタシ自身が「元依存症」ですから、しゃあないといえばしゃあないですね(笑)。発売になったら、ご案内しますね。

■エリートほどクスリや酒におぼれやすい?

 依存症は、最終的には自分で治すしかないんですが、経済産業省の若手職員さんが覚せい剤取締法違反(密輸、使用)で逮捕(パク)られましたね。パクられたNさんは、経産省の中でもエリートやそうです。

 話はそれますが、酒に酔って「北方領土を取り戻すのには戦争」とか言って大問題になった元日本維新の会の議員は私の地元出身なんですが、これまた経産省出身やそうです。東大出のイケメンなのに……。経産省にはポン中と酒乱しかいてないんかい……とは言いませんが、これからはこういう犯罪も増える気がします。

 なぜなら、エリートさんのほうがシャブや飲みすぎをやめられない気がするからです。今までもめくれて(発覚して)ないだけかもしれません。私がバイ(密売)してた時も、エリートやセレブは多かったですよ。出世とか名声とか「守らなアカンもの」が多くて、ストレスがハンパないのでしょうね。

 Nさんも、シャブに手を出した理由として「仕事のストレス」を挙げていました。残業もめっちゃ多いらしいですしね。ネットを見ていると、「エリートなのにシャブに手を出すなんて……」という声が多いようですが、むしろエリートやから、ストレスすごすぎで「イッパツやりたなる」のとちゃいますかね。そもそもシャブも高いですから、お金持ちでないと買えませんし。それに、こういう人たちは口がめっちゃカタイので、売人にとっては、とてもいいお客さんなのです。

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