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TBS『水ダウ』藤井健太郎は、時代の寵児? フジ・日テレに勝利も懸念される「危ない死角」

2019/05/22 21:00
村上春虎
『水曜日のダウンタウン1』/よしもとミュージックエンタテインメント

 水曜ドラマ『白衣の戦士!』(日本テレビ系)が振るわない。4月10日放送の初回こそ10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下、同)と2ケタに乗せたものの、その後は9.3%(17日)、9.3%(24日)、8.4%(5月8日)と低迷。その裏番組で互角の勝負を繰り広げているのが、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だ。4月10日は 8.0%、以降は7.9%(24日)、9.4%(5月8日)という推移をたどっている(4月17日、5月1日は休止) 。

「番組コンセプトを見ると、『人は誰しも自分だけが信じる“説”をもっているはず。そこに確かな裏付けや科学的根拠がなかろうと、個人が妄信的に信じ込む“説”を芸能人・有名人たちが独自の目線と切り口でプレゼン』となっています。そのため、一時期は『~説』という括りにこだわりすぎた企画を乱発し、視聴者が遠ざかっていました。現在は『説』に縛られることなく、芸人の生態を観察する番組にシフトして好調を維持しています」(芸能ライター)

 4月10日は人気企画「早弁先生」が復活。デヴィ夫人、日本ボクシング連盟前会長・ 山根明、具志堅用高の3人が教師として教壇に立つ中、その目を盗んでシュークリームや手巻き寿司、スイカ、さらにはチーズダッカルビをホットプレートで焼いて完食することを芸人たちが目指した。また5月8日は「新元号を当てるまで脱出できない生活」に芸歴14年目のコンビ・ななまがりが挑戦。苦難の末、5日目に令和を当てて脱出した。

 番組の作り手として知られるのは、総合演出を務める藤井健太郎氏。コンプライアンスに縛られ、硬直化が進むテレビ界の中で「時代の寵児」と業界内でもてはやされている。

「この番組で特徴的なのが、M1層(20~34歳の男性)、M2層(35歳~49歳男性)に受け入れられていること。20代のテレビ離れが進む中、M1層がついているのは奇跡といえるでしょう。総合視聴率としてはそれほどでもないのですが、物を買ってくれる若い購買層、いわゆる『コアターゲット』に支持されているのは強い」(同)

 近年の好調ぶりを受けて、フジテレビは2017年、『水ダウ』の常連出演者だったバカリズム、劇団ひとり、ハライチ・澤部佑、メイプル超合金・カズレーザーを実質引き抜いて、まったく同じ時間帯に『良かれと思って!』を始めたが、わずか1年で撤退。続く『梅沢富美男のズバッと聞きます!』も当初でこそ勢いがあったが、もはや息切れ状態だ。

日テレも、同時間帯で1月クールに『家売るオンナの逆襲』を放送したものの、平均11.5%と予想外の苦戦を強いられた。もはら、水曜夜10時で安定した人気と数字を稼げるのは『水ダウ』のみといえる状況だが、その担い手である藤井氏に、死角はないのだろうか。

「藤井氏の立ち位置は、テレビ朝日で『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』の2本を手掛けている加地倫三氏に似通っているものがあります。2人ともエッジの利いた番組を作っているのですが、ただ2本ともヒットさせている加地氏に対し、藤井氏のレギュラーは現在『水ダウ』のみ。以前、『クイズ☆タレント名鑑』もゴールデンで担当しましたが、2年で終了しています。つまり、ヒットクリエイターはまず1本当てることも大事ですが、2本目を成功させてこそとも言われています。真価が問われるのは実はこれからなのではないでしょうか」(業界関係者)

 実際的に、藤井氏は『水ダウ』に関しては編集はもちろんナレーション原稿書きから音楽の選曲まで担っている。2本目の成功のためにも、次を急がず、この番組だけに集中してほしいところだが……。
(村上春虎)

最終更新:2019/05/22 21:00
水曜日のダウンタウン5
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