星野源は壊れかけていた「目の前の人に唾を吐いたら人生終わるかなと妄想していた」

 2018年末から2019年頭にかけて星野源の活動が次々と発表されている。

 12月19日には星野源3年ぶりとなるアルバム『POP VIRUS』が発売されて、年末には『第69回NHK紅白歌合戦』で4回目となる『紅白歌合戦』への出場が決定。年が明けてからは、男性ソロアーティストでは史上5人目となる全国5大ドームツアーを行われる予定だ。

 まさに飛ぶ鳥落とす勢いだが、実は今年の頭までの星野源は悩みの日々にいたという。

 ここ最近、彼は2016年末の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)ブーム以降に身の回りで起きた激動に心を乱されて塞ぎ込んでいたと告白するようになっている。

 その当時の心境は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』主題歌「アイデア」の2番の歌詞<おはよう 真夜中/虚しさとのダンスフロアだ/笑顔の裏側の景色/独りで泣く声も/喉の下の叫び声も/すべては笑われる景色/生きてただ生きていて/踏まれ潰れた花のように/にこやかに 中指を>にも反映されている。

 彼の心を塞ぎ込ませたのは、知名度が爆発的に高まっていくなかで、明らかに自分自身とは合致しないパブリックイメージが広まっていったこと。そして、自分の身の回りで起きていることなのにも関わらず、自分ではどうすることもできない状況になすすべもなかったということだった。

 「MUSICA」(FACT)2018年9月号のインタビューで彼は<自分の周りは台風なんだけど、一応小屋の中にいるっていうような感じ。で、そこでじっとしているっていう感覚だったんですよね。で、今改めて考えてみると……自分自身が、確かに自分なんだけど、ふと、それが分かれてそれぞれひとり歩きしていく感じっていうか……自分っていうものが分離していくような感覚っていうんですかね>と、混乱と精神的不調をもたらした状況を振り返っている。

 今年8月にリリースされたシングル「アイデア」リリース時に『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)や、各音楽専門誌でのインタビューを通して初めて語られたこの話だが、それらの場では「精神的に落ち込んでいた」というぐらいの言及にとどまっており、具体的にどういった状態にあったかは語られてこなかった。

初めて具体的に明かされた星野源の「闇」
 それが、「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)2018年12月号掲載のエッセイ「いのちの車窓から」のなかで初めて明かされたのだが、これが強迫性障害にも近いような、なかなか壮絶なものだったのである。

 エッセイによれば、『逃げ恥』ブームの後、行きつけのカフェに待ち伏せするファンが現れたり、買い物中に道行く人からスマートフォンで盗撮されるといったことが起こり始めた。また、家の前には窓にスモークのかかった車が止まるようになり、仕事帰りにはパパラッチの車が後をつけてくるようになったという。

 プライバシーを著しく侵害される状況だが、星野自身は当初そういった迷惑行為を<嬉しいことばかりだった>と振り返る。嫌がるどころか、むしろブームの渦中にいる喧噪を楽しんでいたという。

 しかし、そんな日々は長くは続かない。2017年に入ったあたりから、メディア上でつくられる「陽」なパブリックイメージと、本来の自分との乖離が激しくなるにつれ、彼の心は闇に包まれるようになっていく。

<仕事では楽しく笑顔でいられても、家に帰って一人になると無気力になり、気がつけば虚無感にまみれ、頭を抱え、何をしても悲しみしか感じず、ぼんやり虚空を見つめるようになった。
 それは日々ゆっくりと、少しずつ増殖するウイルスのように、僕の体と精神を蝕んでいった。
 声をかけられることが恐怖心となり、街では誰にも見つからないように猫背で顔を隠し逃げ回り、ベランダに出ることさえも怖くて怖くて晴れた日でもカーテンを閉めるようになった>

 それは人間関係にも悪影響をおよぼし始める。続けてエッセイではこのように綴っている。

<自分の楽曲とは裏腹に恋とは縁遠くなり、女性を口説くことも、女性がいる場に行くことも恐ろしくなった。
 訳のわからないタイミングで涙が出るようになり、目の前に水の入ったコップがあれば壁に投げつけたい衝動を抑えるようになり、誰かと話していると、いまこの人に唾を吐いたりすれば全てが終わるのかなと妄想しては、心の中で首をブンブンと横に振った>

 心療内科にかかってもいいはずだが、彼はこの心の痛みを我慢してしまった。悩みを誰かに打ち明けることは<非常にダサい>と考えていたからだ。それが症状をさらに悪化させてしまう。

 その痛みを癒してくれたのは、生田斗真との友情であるという。

 10月16日深夜放送『星野源のオールナイトニッポン』に生田斗真が出演した際、今年の2月に2人っきりでハワイ旅行に行ったと語られていた。このハワイ旅行が星野源を救った。

 2人は10年来の付き合いでしばしば共に食事をする仲だというが、昨年末に食事をした際の星野源の様子が明らかにおかしかったという。

 生田斗真はそのときのことを<なんかもうこの世の終わりみたいな顔をしていて>と振り返るが、実際、そのときの星野源は非常につらい心境にあり、その食事会にも<これダメだ。つらい。斗真、助けて!>という思いで臨んでいたらしい。

 食事中も星野源はずっと<いやー、つらい、つらい>と嘆いていたそうだが、その会話のなかでふと<旅行に行きたい>とつぶやいたのを生田斗真は聞き逃さなかった。

 そこで、2人っきりの5泊6日ハワイ旅行が開催される運びとなったという。

 5日間のオフを捻出するため2人とも旅行直前まで仕事を詰め込み、星野源にいたっては39度の熱がある状態でハワイ入りすることになるが、そこからは、海でシュノーケリングをしたり、現地の美味しいものを食べ歩いたりと、日本人観光客が少ない場所を中心に様々なハワイ観光を楽しんだという。

 そして旅の終わりに際して生田斗真は<源ちゃんなにがいちばん楽しかった? この数日間で>とたずねるのだが、それに対して星野源は<すごく恥ずかしいんだけど、最終日に斗真と2人でホテルの近くを散歩したこと。夜、2人で散歩したこと>と返したという。

 いろいろ観光したのに、一番心に残ったのが「散歩」というのは面白い。これの話をバラされて恥ずかしがる星野源に追い打ちをかけるように、生田斗真はさらに<『ちょっと2人で散歩しようか』って。なんかあてもなくグルグルグルグル、公園の方に行ってみたり、海の方に行ってみたりして。で、その中で2人でこうダラダラしゃべりながら散歩していたんだけど。それがいちばん楽しかったって言っていて。キュンとしました>と語っていた。

帰国後に生田斗真が星野源を叱った理由
 ここまではラジオでの2人の共演時に語られたことだが、実は帰国した後に、星野源の心境を180度変える事件が起きていたとエッセイでは綴られている。

 成田に降り立った後、星野源のマネージャーが空港まで車で迎えに来ていたので、生田斗真を送っていくことになった。

 しかし、車に乗り込んだ途端、生田斗真は押し黙り、そして語気を強めてこのように叱ったという。

<源ちゃん、これはダメだ>
<こんなの頭おかしくなるよ>

 車内は外から見えないようにすべての窓を黒いカーテンで覆い、また、フロントガラス越しにも後部座席が見えないように仕切りをつくっていたのである。

 生田斗真の指摘により、星野源はようやく、過剰な防備こそが心を蝕む要因をつくっていたことに気がつく。

<そうか、僕はまだ病んでいたのか。
 それから全てのカーテンを外し、窓を開けた。夕焼けを見ながら風を感じるなんて久しぶりであった。
「ああ、最高だわ」
 隠れることはなんて馬鹿らしいんだろう。楽しいことも、悲しいことも、クソだと思うことも、全て堂々と表現してやろうと思った。その瞬間から僕は、本当の意味で、負の自分を乗り越えることができたのである>

 こうして、アルバムや全国ドームツアーといった大きな仕事にも取り組むことができるぐらいメンタルが回復し、また、塞ぎ込んでいた時期についてラジオや雑誌のインタビューやエッセイで明かすこともできるようになった。

 ただ、星野源の不調の原因のひとつは、「有名税なのだから我慢しろ」とばかりにプライベートな領域にまで踏み込むメディアや、マナー違反の接触を試みようとするファンの行動である。

 芸能マスコミによる過剰な取材はかねてから問題視されてきたが、最近では、大倉忠義(関ジャニ∞)がストーカーまがいの行動に出るファンを諌める声明を出したりと、ファン側の節度ある行動を求める声も起きるようになった。

 メディアやファンの行き過ぎた行動がひとりのミュージシャンのキャリアを潰しかけた事実は重く考える必要がある。

(倉野尾 実)

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