ドラマレビュー

瀬戸康史、『透明なゆりかご』由比院長で完成した『あさが来た』以降の男性像

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『透明なゆりかご』公式サイトより

 金曜夜10時から放送されている『透明なゆりかご』(NHK)は、沖田×華(ばっか)の漫画『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』(講談社)を原作とする医療ドラマだ。

 物語の舞台は由比産婦人科という小さな医院。看護師見習いの青田アオイ(清原果耶)は、この医院でさまざまな事情を抱えた女性と出会う。9話では、アオイと仲良くしていた10歳の女の子が何者かに性的暴行を受け、この医院を訪れる場面が描かれた。

 つらい話が多いが、見せ方は実に淡々としている。だからこそ緊張感が凄まじく、毎回圧倒される。これは脚本家の安達奈緒子の筆力によるところが大きいだろう。『リッチマン、プアウーマン』や『失恋ショコラティエ』(ともにフジテレビ系)といった月9ドラマを多く手がけている安達は、働くとはどういうことか? 母親になるとはどういうことか? といった問題意識を強く打ち出す脚本家だ。月9の華やかなドラマで執筆する際には、その生真面目な作家性が違和感となって印象に残っていたが、NHK地上波の本作では、原作漫画との相性の良さもあってか、安達の作風が良い方向に作用している。

 何より素晴らしいのが、出産に対する距離感だ。第2回の「母性ってなに」というタイトルが象徴的なのだが、産婦人科を舞台にした医療ドラマでは、どうしても母性と出産の美化が行われがちだ。もちろん、本作でも出産シーンは感動的だが、中絶をすることになった女性にも丁寧に寄り添い、彼女たちを裁かないようにしている。そんな作品のスタンスを象徴しているのが、瀬戸康史が演じる由比産婦人科の院長・由比朋寛だ。

 由比は、以前は大きな病院に勤めていたが、患者に時間を掛けすぎるため大病院には合わず、一人ひとりを丁寧に診ることができる医院を開業した。第8回で由比は、妊娠してノイローゼ気味になっている妻の気持ちがわからないという男性に対して、以下のように言う。

「僕も産科医ですが、妊娠した女性の体の中で起きていることは医療的にはわかっても、気持ちはわかりません。それが無性に悔しく思うこともあります」
「でも、わからない分、わかりたいって思う気持ちは強いです。女性の医師が女だからわかるって流してるところも、僕は勉強して経験を積んで、わかろうとします」

 冷静に物事を見つめる由比院長の包容力があるからこそ、つらい場面が続いても、安心して本作を見ることができるのだ。

 それにしても、由比を演じる瀬戸康史を見ていると、こんなに頼りがいのある俳優に成長したのかと驚かされる。

これ瀬戸くん!? って二度見するほどいい役者に

しぃちゃん

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