美容・健康
吉野一枝先生インタビュー

豆乳を飲むと「生理痛軽減」「ダイエット効果あり」!? ネットのうわさを婦人科医がジャッジ

2015/10/31 17:00

――20~30代でも、肌荒れなど女性ホルモンの不足を感じることがあると思うのですが。

吉野 女性ホルモンにはエストロゲンのほかに“プロゲステロン”といわれる黄体ホルモンもあり、この2つの分泌量が生理周期に合わせて上がったり下がったりして、ひと月の間で大きく変動しています。女性ホルモンの分泌が一番活発な年代であっても不調を感じることがあるのは、ホルモン変動があるためです。エストロゲンは全身にレセプターがあり、肌や髪の艶、神経や骨、免疫機能など、女性の体全てに影響するため、ホルモン変動がない月経~排卵までの間は調子がいいのです。生理前に肌荒れやダルさなどの症状が現れるのは、プロゲステロンが増えるから。プロゲステロンは妊娠しやすいように子宮内の環境を整えるホルモンなのですが、皮脂の分泌を活発にしたり、水分を溜め込みやすくしたりする作用があり、ニキビやむくみの原因になります。

――プロゲステロンが多く分泌される時期に豆乳を飲めば、エストロゲンの効果が上がって緩和できないですか?

吉野 プロゲステロンは排卵後に子宮内の環境を整えるホルモンなので、エストロゲンを上げたからといって下がるものではありません。排卵すればプロゲステロンは上がります。

――豆乳を飲んだら生理痛が軽減するというウワサがあるのですが。

吉野 それは間違いです。生理痛は子宮内膜に含まれる“プロスタグランジン”という発痛物質によって引き起こされます。この物質は、経血を押し出すために子宮の収縮を促し“収縮痛”を誘発するほか、血液中を駆け巡って全身を回ることで、頭痛や吐き気などの症状としてあらわれることも。生理痛を軽減するためにはプロスタグランジンの発生自体を抑えないといけないので、豆乳で痛みを軽減するという話には根拠がないですね。

――生理前から豆乳を飲んでいると、生理後に体重が減るといったダイエット効果のうわさ、また飲みすぎるとガンになりやすいというのはどうでしょうか?

吉野 それも大間違い。生理前はプロゲステロンの影響で全身がむくみやすいから、生理痛緩和に豆乳を飲んでいた人が、生理後のむくみの引きをダイエット効果と勘違いしたのかもしれませんね。ガンに関する話も、乳がんがエストロゲンで再発したりするところから出てきたうわさでしょうけれど、イソフラボンはあくまで食品でホルモンそのものではありませんから、何の影響もありません。第一、どんなに飲んでも食品から摂れる量はわずかですし、通常の飲み方であれば問題ありません。ただ飲みすぎるとカロリーオーバーで太ることもあります。

――タバコを吸う人が豆乳を飲むと体に悪いという話もあるようです。

吉野 豆乳と経口避妊薬のピルを混同されたのかもしれませんね。ピルは服用中のホルモン分泌量を一定に保つためにエストロゲンとプロゲストロン両方の成分が入っていますから。ピルは血栓のリスクが4倍高まり、タバコはリスクが11倍高まります。一緒になると掛け算式にリスクが高くなるので、喫煙者(35歳以上で1日15本以上タバコを吸う人)の服用は禁止されているんです。しかし、豆乳とタバコの組み合わせでより血栓症のリスクが高まるということはありません。ただタバコは女性ホルモンを低下させるので、閉経が早まるし老化現象も早めます。肌のトーンも暗くなって、透明感がなくなるなど、いいことはひとつもありません。

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