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暴力団は、そもそも何が悪い? 山口組の分裂ってどういうこと? 弁護士に聞いてみた

2017/05/27 15:00
bouryokudan1
Photo by István Berta from Flickr

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回の番組>
各局ニュース番組等

<今回の疑問>
暴力団は、法的に何が問題か?

 今年4月、日本最大の指定暴力団である山口組から分裂した神戸山口組の有力幹部らが新組織「任侠団体山口組」を結成したが、その後、対立抗争とみられる組員同士の傷害事件など、暴力団に関する事件がテレビや新聞などで相次いで報じられている。そもそも暴力団とは何が悪いのか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 岩沙弁護士によると、暴力団とは、「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」(暴力団対策法2条2号)だという。警察庁の統計によると、交通法令違反を除く平成27年度の全検挙人数30万4,868人のうち、暴力団構成員等は2万1,643人であり、全国の犯罪の7%については暴力団が関わっていることになるそうだ。

 では、そもそも暴力団は、どのような違法行為をしているのだろうか?

「違法行為の種類としては、暴行罪・傷害罪・恐喝罪などの暴力的な犯罪、窃盗罪・詐欺罪などの財産犯、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反などの薬物犯罪、その他、風営法違反、銃刀法違反など多岐にわたります。暴力団員による犯罪は、基本的に暴力的な犯罪が多かったのですが、最近では減少傾向にあり、覚せい剤や麻薬などの薬物犯罪、売春や賭博等の非合法なサービスの提供に変わってきています」

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