「タレント本という名の経典」

「お金を稼ぎたい」と公言する川越シェフにエロスと生存本能を刺激される女たち

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『絶対味覚』/主婦の友社

――タレント本。それは教祖というべきタレントと信者(=ファン)をつなぐ“経典”。その中にはどんな教えが書かれ、ファンは何に心酔していくのか。そこから、現代の縮図が見えてくる……。

 川越達也、40歳。代官山のレストラン「TATSUYA KAWAGOE」のオーナーであり、食品のプロデューサーやバラエティタレントとしても活躍しているシェフである。彼のファンはどんなタイプなのかと思い、ブログを見てみたところ、なんだかとってもエロかった。

「早く達也の○○○食べたい〜」
「川越シェフの○○○、すごくおいしい。じっくり味わちゃった」
「もっと達也の○○○が食べたいけど、今日はガマン」

 こんな言葉が飛び交っている。○○○をお好きなモノに当てはめて読んでみてください。もちろん書いてる本人たちは意図していないだろうが、実に官能的である。確かに、普通のアイドルファンと比べて、いろんな感覚を刺激させられる機会が多いのは事実。アイドルファンの場合、テレビを見て、CDを聞いて、コンサートに行き、まあせいぜい視覚と聴覚がうっとりするくらい。ところが川越シェフのファンはというと、テレビで姿を見て声を聞いて身もだえて、さらに彼のプロデュース食品を嗅いで舐めて味わって、ボディ(=胃袋)まで満足させられる。もう、エロ過ぎて川越ファンがうらやましい。

 一方で、川越シェフにはアンチも多い。2ちゃんねるにはバッシングスレッドが立ち、「大してイケメンじゃない」「料理の腕はないくせに」「性格が悪そう」と叩かれている。その根底にあるのは、「タレントでもないのにメディアに出まくって、料理に専念せずに手広く商売をして儲けている点が気に食わない」ということである。

 実際、今年に入ってからの動きだけでも想像を軽く上回る。キムチとタイアップ、川越プロデュースのハンバーガーを発売、回転寿司とコラボレーションまではまだよしとしても、サンリオのイベントでキャラクターをデザインしたり、声優デビュー、歌手デビュー、アニメキャラクターのCMに出演したりもしている。そのほか、パスタソースも発売中。めちゃくちゃである。いくらなんでも「やりすぎ」と思う人がいるのも無理はない。

 しかし、そんな批判も川越シェフは織り込み済み。彼の著書『絶対味覚』(主婦の友社)は、全5章のうち第1章から第4章までは味付けに関する料理エッセイだが、最終章だけなぜか調子がガラリと変わって、自身の主義主張が熱っぽく書かれている。その中にこんなことが書いてあった。

「料理人みんなが職人ぶらなきゃいけない、みたいな世の中のムードはいや!」
「僕ぐらいのランクの『タレント???』は、ギャラも知れているし、そのわりに拘束時間も長い。知り得た料理技術、一般の方も楽しく料理ができる方法を考えて食文化に貢献しよう、という気概があるから、やっていられるのです」
「同業者の見る目は厳しいです。料理人がお金を稼ぎたい、社会的地位を上げたい、とおおっぴらに表明することは料理界の美徳に反するようです。おいしいものだけ作っていたい、という美徳を持っている人にとっては、他のこともして稼ぐ人がおもしろくないのは当然ですよね。でも、あえて僕は料理人が誰もやってこなかった道を進んでいくことを決心しています」

 節操がなく調子こいているように見えるが、実は大義があり将来を見据えてのことだったのだ! 批判覚悟の確信的なKWG(カワゴエ)商法。しかも、儲けを独占しているわけではない。川越シェフが儲かれば、彼を利用したメディアや外食産業、食品メーカーも儲かる、熱狂的な信者も喜ぶ、安くて質がよさそうなものが食べたい一般消費者も喜ぶ、全方位ハッピーになれる。すごい。KWG商法は不景気のニッポンを救うかもしれない。荒れ果てたシャッター商店街に舞い降りた、買いに行けるシェフ、それが川越シェフなのだ!

 かつて、男がアッシーくん、メッシーくんと呼ばれていた時代があった。みんな金を持っていたから、いろんなことが分業制になっていた。男は仕事一筋、女は主婦。芸能人も、俳優は俳優、お笑いはお笑い、歌手は歌手、アイドルはアイドル。しかし、今はそれだけでは生き残れない兼業の時代である。イケメンタレントは、トーク術や料理や玄人顔負けの趣味など+αが求められる。「不器用ですから」なんて言っていたら消える。一般人も、仕事に家事に育児に趣味に、1人何役もこなすことが今風の生き方である。あれがダメになってもこっちで生きられる、と二重三重に保険をかけておかなければ安心感が得られなくなっている。

「川越シェフの笑顔に癒されます」
「料理が好き。川越シェフのお料理を食べに行きたい」
「尊敬できる方だと思います」

 とファンは語る。川越批判と川越人気は表裏一体だ。シェフなのにイケメンで、商品プロデュースもできて、バラエティでも気の利いた発言ができる。いずれタレントとして飽きられても本業で生きられる。ファンにしてみれば、その盤石感が大きな強みであり、理想の男性だと映る(バツ2だが、それはマイナスポイントにはならないようだ)。アンチにしてみれば、軽薄な世渡り上手に映り、鼻につくだろう。

 本書によれば、人間は本能によって味覚が狂うことがあるのだという。いわく、「のどが渇いているときに酸っぱいものが欲しくなったり、疲れているときには甘いものが欲しいと思うのは、体が『必要』としているからで、おふくろの味は食べ慣れて『安全だ』とわかっている、という具合に『生存本能』に関わる部分は客観的な判断ができなくなる場合があるようです」とのこと。不況を生き抜く力を備えた川越シェフは、女たちの生存本能を刺激し、味覚やイケメン観を狂わせる。ねえ達也、達也の○○○が食べたいよ。
(亀井百合子)

現代を生き抜くための、KWGという生き方

しぃちゃん

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