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『科捜研の女23』テコ入れは失敗だった? 第1話でダジャレ&“マリコビーム”復活の裏事情

2023/08/17 14:24
仲宗根由紀子(エンタメライター)
着物姿の沢口靖子の画像
マリコの“科学ダジャレ”炸裂!(C)サイゾーウーマン

 沢口靖子主演のドラマシリーズ『科捜研の女』(テレビ朝日系)。season23の第1話が8月16日に放送され、ネット上では「以前のテイストに戻った?」と喜ぶ視聴者が相次いでいる。

 1999年にスタートした同シリーズは、長らく午後8時台の「木曜ミステリー」枠で放送されていたが、昨年10月より火曜午後9時台に新設されたドラマ枠へ移動。同時に、これまでの人間味あふれるコミカルなテイストが排除され、スタイリッシュでミステリアスな作風に一新された。

「スタイリッシュな雰囲気に様変わりした前シーズンは、ファンの間で『かっこいい』『雰囲気が暗すぎる』と賛否両論を巻き起こしました。今シーズンのメインビジュアルも、オールバックヘアの主人公・榊マリコ(沢口)がクールな表情を浮かべているため、ネット上では『またこの路線か……』と不満も散見されていたんです」(テレビ誌記者)

『科捜研の女23』第1話に故・星由里子さん登場!

※以下、『科捜研の女23』第1話のネタバレを含みます。

 今シーズンからは、水曜午後9時台の放送となった『科捜研の女』。第1話(2時間スペシャル)では、インテリアショップ経営者の自宅に2人組の覆面強盗が押し入り、鉢合わせした主人が殺害される事件が発生。榊マリコら科捜研メンバーが容疑者の追跡を始めると、犯人の指紋が2年前に起きた“警察官かたり詐欺事件”の容疑者と一致する。

 その後、事件を追うマリコの目の前で爆発事件が発生。マリコと京都府警捜査一課の刑事・土門薫(内藤剛志)は、事件の背景に見え隠れする黒幕を追う――。

「劇中で、マリコの携帯電話に母・いずみから電話がかかってくるシーンが登場。いずみ役の星由里子さんは18年5月に他界していますが、生前の映像を流用する形で出演を果たしたんです。ドラマ内で生き続けている星さんの姿に、視聴者から『いずみママの御姿を拝見できるのはうれしい限り』と喜びの声が相次ぎました」(同)

『科捜研の女23』マリコのダジャレが炸裂!

 また、金田明夫演じる警視正・藤倉甚一が「必ずホシをあげろ!」と刑事に発破をかけるシーンや、土門が「ただの勘だ」と言い放つ場面が、内藤主演の同局ドラマシリーズ『警視庁・捜査一課長』の“お決まりのセリフ”を彷彿とさせると、ネット上で話題に。

 加えて、第1話に“犯行の目撃者”として登場した猫の名前も、『警視庁・捜査一課長』の主人公・大岩純一(内藤)の愛猫と同じ「ビビ」という名前であった。

 さらに、捜査に最新鋭のドローンを導入するマリコが、日野和正所長(斉藤暁)から「ちょっと今回ドローン使いすぎじゃない?」「マリコくんは“予算”という言葉知らないの?」と注意される場面では、「知ってます。ビタミンBの一種でプテロイルグルタミン酸のことです」(正しくはプテロイルモノグルタミン酸)と返答。研究員・宇佐見裕也(風間トオル)に「それは葉酸」とツッコまれる場面もあった。

沢口靖子の“マリコビーム”も復活

「初回からマリコの“ダジャレ”も飛び出したほか、目力の強さから、ファンの間で『マリコビーム』と呼ばれるムチャ振りシーンも復活。ネット上では『以前のコミカルなテイストに少し戻った!』と喜ぶファンが続出しています。前シーズンのリニューアルに苦情が殺到したため、テレ朝が要望に応える形で軌道修正したのでしょう」(同)

 なお、第1話の世帯平均視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。初回の数字としては、season5(04年4月期)以来19年ぶりの1ケタとなってしまったが、放送中のほかの連ドラと比べると健闘しているといえそうだ。

 「やっぱり面白い!」と好意的な声が多く寄せられている『科捜研の女23』。前シーズンの大胆なテコ入れは、失敗だったということなのだろうか……。



仲宗根由紀子(エンタメライター)

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2023/08/17 14:37
私たちのマリコが戻ってきたわよー!
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