仁科友里「女のための有名人深読み週報」

広末涼子、10代から“清純派”を押し付けられた彼女は気の毒な人かもしれない

2023/06/15 21:00
仁科友里(ライター)

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

記者会見に出席する広末涼子の画像
清純派って何?(C)サイゾーウーマン

<今回の有名人>
「大人ならば誰でも知っている。ウソは嘘を呼ぶことを」広末涼子
「STORY」2022年6月号(光文社)連載「毎日が3兄弟ママで、女優。」より

 都内の1つ星レストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作氏との不倫報道を認め、所属事務所から無期限の謹慎処分を受けた女優・広末涼子。

 報道後、キリン、日本和装、EDWIN、リーガルオンなどのCM契約が終了に。以前、『ぽかぽか』(フジテレビ系)にゲスト出演したベッキーが、CMをやるとプライベートで問題を起こさないことはもちろん、日頃の発言にも制約がかかると話していた。そういう条件だとわかった上で契約を結んでいるのだから、この結果は仕方のないことなのかもしれない。

 しかし、19年からMCを務めるテレビ東京の大型音楽特番『テレ東音楽祭』も出演を見合わせ、今月中旬に予定されていた映画もクランクイン延期と、芸能界は「臭いものにふた」とばかりに、広末を排除しているように見えてしまう。ついには、女性誌「STORY」(光文社)での連載「毎日が3兄弟ママで、女優。」も休止となった。

 主婦と生活社のニュースサイト「週刊女性PRIME」が、同連載の中の一節を取り上げていた。22年6月に公開されたエッセイで、広末は読者から寄せられた「子どもがつくウソ。親はどこまで許容すればいい?」という質問について、下記のように書いている。

「大人ならば誰でも知っている。ウソは嘘を呼ぶことを。どんなに小さいウソでも、ひとつウソをついてしまうと、そのウソを隠すためにまた嘘を重ねてしまうことを。そしてウソをつくことに慣れてしまい、普通に嘘がつける人間になってしまうことを」

 ウソをつくと一度で終わらず、どんどん嘘の上塗りをしなければならなくなるし、そのウソを守るため本当の嘘つきになってしまうと言いたかったのだろう。子どもの教育のために書いた“名文”が、今の広末本人を的確に表しているとは、なんと皮肉なことだろうか。

「子ども3人いるんです」広末涼子はなぜ急転直下で不倫を認めたのか?

 「週刊文春」(文藝春秋)に直撃された広末は、鳥羽氏との不倫関係について「絶対にありません! 子ども3人いるんです」と強く否定した。ちょっと芝居がかった物言いで、個人的には嘘くさく感じだが、ともかく「不倫関係と思われたくない」という気持ちは伝わってきた。

 しかし、広末の所属事務所は「プライベートなことに関しては、本人に任せていますが、今回の報道を受けて本人に対して責任を持って行動するように厳重注意をしております」とコメント。自社タレントを守るのが仕事であるはずの事務所が、不倫を否定しないとは、これいかに。

 一方、不倫相手とされる鳥羽氏も予想外の反応を見せる。「文春」記者に「広末と再婚するつもりはあるのか?」と尋ねられて、「どうっすかねぇ、仲は良いですけど、そういう感じでは、今はないですね」と将来に含みを持たせた発言までしている。事務所と鳥羽氏がきっぱり否定しなかったことから、不倫しているという印象を持った人も多かったのではないだろうか。

 しかし、広末と鳥羽氏は急転直下、不倫関係を認めるコメントを出し、広末の無期限謹慎が発表された。おそらく、これは「文春」対策だろう。言い訳のできない証拠を「文春」に握られてしまったので、これ以上のイメージダウンを防ぐために認めてしまったほうがよいと判断したのではないかと感じた。

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