仁科友里「女のための有名人深読み週報」

広末涼子、10代から“清純派”を押し付けられた彼女は気の毒な人かもしれない

2023/06/15 21:00
仁科友里(ライター)

広末涼子の最大のウソは“清純派”としてキャリアをスタートさせたこと

 さて、今回考えてみたいのは、広末が書いた「ウソは嘘を呼ぶ」発言である。「文春」記者に直撃されて、“不倫をしてない”と主張した広末は、確かにウソをついたと言えるだろう。しかし、冷静に考えてみると、あの場面で「はい、不倫をしていますよ」と答える芸能人はいないだろうから、ウソではなく、答えが「YES」か「NO」しかない“誘導尋問”に引っかかったと見たほうがいいのではないか。

 それでは、広末最大のウソとは何か。それは、広末が自身のキャリアを“清純派”としてスタートさせた点だ。とはいえ、これは事務所が、彼女をそのように売り出してしまったからなのだが。

 広末だけでなく、10代でデビューする女性芸能人は、この“清純派”カテゴリに半強制的に入れられてしまう。芸能界における“清純”とは何かを定義すると、多くの人に求められる優れた容姿を持ち、誰に対しても明るくさわやか、一方で貞操観念が高いため、男性に対して免疫がなく、セックスの経験がほとんどない女性のことを指すと思う。

 そのカテゴリに属することに疑問を持たないタレントもいるだろうが、中には「私はいっぱい恋愛したい」「付き合うとか結婚はどうでもよい、いいと思った人とはとりあえずセックスしたい」というタレントだっているはず。

 が、若い女性タレントは問答無用で“清純派”の箱に入れられてしまうので、何かのきっかけで“清純”でない行動が明らかになると、世間に「ウソをついた」「ウラがある」とバッシングされてしまう。

 広末は10代だった頃、夜遊びや、ちょっとワルそうな異性との交際がたびたび報じられたが、そんなとき「どうして、自分で自分のイメージを下げるようなことをするのか」と私は不思議に思っていた。しかし、広末本人からすれば「自分から“清純派”と名乗ったわけではないのだから、プライベートでまで“清純”な行動を取る必要はない」と思っていたのかもしれない。

 そう考えると、遊び対盛りの10代の頃から、“清純派”という役割を押し付けられた広末は、気の毒な人なのではないだろうか。

広末涼子に「子どもがいるから母に徹しろ」なんて言うつもりはないけれど

 3児の母となっても、恋をすると周りが見えなくなってしまうのは、10代の頃と同じで、“非清純派”の特徴なのかもしれない。冷静に考えてみて、今さらこの性質を変えることはできないだろう。

 今は鳥羽氏に夢中な広末だが、時がたてば、違う男性と激しい恋をするようにも思う。母親になったんだからオトコを断てとか、子どもがいるから母に徹しろなんて言うつもりはない。ただ、守らなくてはならない大切な人たちの存在を忘れないでほしいと願わずにいられない。

仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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Twitter:@_nishinayuri

最終更新:2023/06/15 21:00
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