暗黙のママ友ルールウォッチング

ママ友のLINE未読スルーは何日まで許せる? 5日間無視されたママに運動会で遭遇した話

2023/06/11 16:30
池守りぜね(ライター)

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

スマホを見つめる女性の画像
写真ACより

 かつては至る所で見られたママたちの井戸端会議。しかし近年は共働き家庭の増加により、ママ友との交流に時間を割くのが難しいという人も多くなっている。そんな中、簡単に交流できるツールがLINEではないだろうか。PTAや子どもの習い事など、ママたちはさまざまなLINEグループに入り、毎日メッセージを送り合っている。

 

今回は、そんなママ友とのLINE交流をめぐり、相手からの返信が来ないことにモヤモヤを感じるお母さんの話を取り上げる。

 

◎ママ友とPTA委員になったら……LINEの未読スルーにモヤモヤ

 

弁当屋のパートタイマーとして働いている真奈美さん(仮名・38歳)は、8歳になる女児のママ。子どもが小学校に入学してからずっとコロナ禍で、行事が相次いで中止・縮小になり、保護者が学校を訪れる機会がほとんどなかったという真奈美さん。「もっと学校の様子を知りたい」という思いから、自らPTAの学級委員に立候補し、委員活動に精を出している。

 

「委員会の集まりで月に1回は学校へ行っています。担任はもちろん、ほかの先生にも会えるし、娘がどんな環境で勉強をしているかがよくわかるんです。委員をやってよかったって思います。運動会や公開授業の日なども、積極的に協力係などをやっています」

 

 真奈美さんは、学級委員に立候補する際に、別のクラスにいるママ友の愛子さん(仮名・36歳)を誘った。

 

「うちの小学校は、1学年3クラスなので学級委員の人数も3人。知っているママ友が委員にいたらやりやすいって思ったので、子どもが同じ保育園に通っていた愛子さんを誘いました。彼女はフルタイムで働いている会社員だったので、『何かあったら私がフォローする』とも伝えていたんです」

 

 ほかに立候補者がいなかったため、委員決めはスムーズに決まったそうだ。しかし、真奈美さんは、愛子さんの行動に気を揉むようになったという

 

「小学校入学後、愛子さんとは休みの日に子連れでファミレスに行く機会が年に1~2回くらいの間柄でしたが、保育園では5年ほど一緒だったので、仲が良いママ友だと思っていました。一緒に委員になったので、愛子さんともっと交流を図りたいと思い、個人宛にLINEでメッセージを送ったんですが、未読スルーが続いたんです。ひどい時には、2日後に既読がつくことも……。彼女は忙しいから仕方ないと思っていたものの、PTAのグループのほうにはすぐ返事をするんです」

 

 真奈美さんは、運動会の振替休日の日に愛子さん親子と一緒にランチに行きたいと考えていた。しかし、お誘いメッセージをしても、未読スルーが続いた。

 

「しばらくたって『予定が決まったら連絡をするね』という返信があったんですが、それから3日くらいたっても何も言ってこなかったので、また『今度の月曜日のランチはどうする?』と送ってみました。でも未読スルーのままだったんですよね」

 

◎未読スルーのママ友に運動会で遭遇! 向こうは悪びれた様子もなく

 

 しかし、愛子さんは、学級委員会やPTA役員とのグループはきちんと既読をつけていたという。

 

「愛子さんは返信こそしていないものの、既読の数はグループの人数と一致していました。これってつまり愛子さんは、LINE自体は見ているけど、私のメッセージの返信は後回しにしているってことですよね。自分は優先順位が低いのかな……と気になりました」

 

 結局、5日間未読スルーの状態のまま、運動会で愛子さんと顔を合わせたという真奈美さん。

 

「向こうは悪びれた様子もなく、『こんにちは』と話しかけてきました。未読スルーしてることにも気づいてないのかなと思ったのですが、『月曜のランチはどうする?』と聞いてみると、まずいなあという表情で『あ、ごめん。予定があるんだ』と言われたんです」

 

 真奈美さんは、この時の愛子さんの態度を振り返り、こう感じたという。

 

「ママ友同士のやりとりで、未読スルーは何日まで許せるのかと考えたんですが、翌日くらいまでじゃないかなって思うんです。いくら忙しくてもスタンプだってあるし、なにか返信するのが暗黙のルールではないんでしょうか。それができなくても、せめて既読くらいつけてくれればいいのに」

 

◎ママ友ウォッチャーが解説!
PTAのLINEでもスタンプ返信は普通

 現代のママたちは、日々マルチタスクをこなすようにLINEをチェックしている印象がある。いろんなママ友グループからの通知がひっきりなしに届き、返信が追いつかず、「ドラマの感想や出かけた報告などを送り合うようなグループの通知は切っている」という話もよく聞く。しかし、子どもの学校や習い事にまつわる連絡が交わされるグループのやりとりは、やはり一通りざっと目を通さなければいけないだろう。

 

 ママ友とのLINEをめぐる行き違いは、人によってレスの速さや頻度が異なるというのが原因の一つだろう。家事や仕事の合間にLINEを見ているママもいれば、就労中はいっさいスマホに障れないママもいる中、お互いの状況を把握していないと、「全然既読がつかない」「やたらLINEしてくる」などと不満が溜まりやすい。

 

一方、今回の真奈美さんの件はどうだろう。真奈美さんは、愛子さんがフルタイムで働いているという事情を知っているため、未読についてもある程度理解はしていた。ただお互いの「未読/既読に関するルール」が違っていたように思う。

 

 愛子さんは、真奈美さんからのLINEは未読スルーなのに、学校関係のグループだけは既読をつけていた。もしかしたら、返信をしていない状況は、未読でも既読でも同じと思っていたかもしれない。一方、真奈美さんは未読と既読は異なると考えていた。そこですれ違いが生じたように思う。

 

LINEのメッセージを未読のまま放置しておくのは、何かしらのトラブルの発端になる。相手に「もしかして嫌われたのではないか」「なにか返せない事情があるのではないか」と心配を掛けてしまうこともあるだろう。返信できないからと未読にするより、いったんは既読をつける必要はあるといえ、真奈美さんの言う暗黙のルールは正しいように感じた。

 

 ちなみに「既読をつけたら、すぐにちゃんとした返事をしなければいけない」と思い、なんだかんだ未読にしてしまうというケースもあるが、ママ友は仕事の関係者ではないだけに、そこまで徹底しないでもよいと思う。最近はPTAのLINEグループでも、スタンプで返信をするママは普通にいる。何かと忙しい現代のママは、返信用スタンプを常備しておくのも手かもしれない。

 

 ママ友は生活圏が近いので、未読スルーしていた相手に近所でばったり遭遇なんてケースは珍しくない。ママ友とぎくしゃくしないためにもLINEの未読スルーには気をつけたほうがいいだろう。



池守りぜね(ライター)

池守りぜね(ライター)

出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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最終更新:2023/06/11 16:32
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