兄弟でここまで違うとはね……

ウィリアム皇太子創設の環境賞評議員にニュージーランド前首相が就任! ヘンリー王子との勝負に軍配?

2023/04/07 20:50
堀川樹里(ライター)
対照的な2人(Getty Images)

 プライバシーを侵害したとしてタブロイド紙の発行元を訴える裁判のために極秘帰国したヘンリー王子が、父親であるチャールズ国王との面会を求めていたものの断られたと米メディアが報道。ヘンリー王子夫妻とは関わりたくないと匂わせていたニュージーランドのジャシンダ・アーダーン前首相が、ウィリアム皇太子が創設したアースショット賞の評議委員会メンバーに就任したという報道も流れており、「みんながヘンリー王子夫妻との関わりを避けている」とネット上で失笑されている。

 3月27日、複数の著名人とともに英紙「デイリー・メール」の発行元である出版社、アソシエーテッド・ニュースペーパーズを訴えた裁判の予備審理のために極秘帰国したヘンリー王子。5月に予定されているチャールズ国王の戴冠式に出席する条件として「家族との話し合い」「家族からの謝罪」を求めていたため、国王やウィリアム皇太子と面会するか注目されていたが、国王は29日から即位後初の外国公式訪問でドイツを訪れる予定で、皇太子もロンドンを離れており、実現しないだろうとみられていた。

 現地時間4月4日、米誌「USウィークリー」は、王室に関する暴露本『The Windsors at War』を今月19日に発売する王室専門家アレクサンダー・ラーマンの、「ヘンリー王子はチャールズ国王に会おうと試みたが、国王から『忙しすぎて無理だ』と言われてしまった」というコメントを紹介。

 国王は3月26日から28日のフランス公式訪問を、パリの年金改革抗議デモによる治安悪化のため延期。ヘンリー王子は今回の一時帰国中、ウィンザー城の領地内にあるフロッグモア・コテージに滞在していたと伝えられており、2人が面会することは可能だったとみられているが、国王から多忙を理由に断られたと伝えた。

 アレクサンダーは、ヘンリー王子が戴冠式に出席するのかどうかはまだ読めないが、「もし王子が欠席するなら、それはもう『自分の家族とは二度と関係を持ちたくない』という意思表示だ」とも語った。

 この報道が流れた4日、ウィリアム皇太子はキャサリン妃との公式Twitterで、自身が創設した温暖化対策のための環境賞「アースショット賞」の評議委員会メンバーに、ニュージーランドの前首相ジャシンダ・アーダーン首相が就任したことを発表。「光栄に思う」と歓迎する投稿を行った。

 ジャシンダもアースショット賞の公式サイトで、「設立されて以来、この賞が持つ力を信じてきた」とコメント。「私たちが地球規模で投資し、支援し、加速させていけば、きっと解決策を手にすることができるだろう」と抱負を語った。

 今年1月に首相を退任したジャシンダは、37歳という若さで首相に就任。宗教や民族の違いを超えた連帯を国民に呼びかけ、銃規制を強化したり、SNSに投稿される暴力的な動画を排除する法律や体制を整備し、新型コロナウイルス対応も評価されるなど、強いリーダーシップを発揮。2020年にノーベル賞平和賞にノミネートされ、世界で初めて産休を取った首相としても大きな話題になった。

 ジャシンダは、ヘンリー王子夫妻が製作総指揮を務め、昨年末にNetflixで配信されたドキュメンタリー『Live to Lead』にも、「変化のために戦う」「勇気あるリーダー」の1人として登場。同番組は、ニュージーランドの制作会社ブラック&ルースがネルソン・マンデラ財団と王子夫妻の財団アーチウェルと共同で制作したもので、ジャシンダの出演をめぐり、ネット上では、「いかにもメーガン夫人がお近づきになりたそうな女性」「政界進出を企むメーガン夫人が、世間にコネがあるとアピールしたいから彼女を選んだのでは」とうわされた。

 しかし、ジャシンダは『Live to Lead』の予告編が公開された直後、ヘンリー王子夫妻が関わっていることを知らずにこの番組のインタビューを受けたという声明を発表。番組で使われているのは、19年11月にネルソン・マンデラ財団から受けたインタビューであり、王子夫妻がこの番組のプレゼンターを務めることになったと知らされたのは、収録されてから2年半後の22年5月だった」と説明した。

 ジャシンダがこの声明を発表した当時は、Netflixでヘンリー王子夫妻のドキュメンタリー『ハリー&メーガン』が配信され、世間を騒がせた直後だったことから、ジャシンダは2人と関わりを持ちたくないため、異例ともいえる声明を出したのだろうとネット上で話題に。

 米メディア「Foxニュース」は、ジャシンダ・アンダーソンとウィリアム皇太子夫妻は、年数をかけて信頼関係を築き上げたのではと説明。今回彼らがタッグを組んだことで「環境保護に非常に大きな影響を与えるだろう」と期待を寄せる、ジャーナリストのキンゼイ・スコフィールドのコメントも紹介している。

 その上で、「ヘンリー対ウィリアム」の観点から見ると、ジャシンダはヘンリー王子夫妻と距離を置くことを公に示唆した最初の著名人であり、今回ウィリアム皇太子のオファーは喜んで受け、惜しみない協力をしたいと表明したことから、ウィリアム皇太子に軍配が上がり、最終的に「勝利を収めるのは王室」であることが明白になったと伝えた。

 ネット上は、ヘンリー王子に「暴力を振るわれた」「怒鳴られた」と兄弟げんかを暴露されても何も言わず、笑顔で公務をこなし続けるウィリアム皇太子を応援する声であふれており、1000以上のコメントが寄せられた「Foxニュース」のコメント欄にも、「彼は時代に合った素晴らしい国王になるだろう」「今すぐ国王になってほしいくらい」という意見まで書き込まれている。一方、ヘンリー王子には「もう表に出てこないでほしい」「ネガティブなエネルギーしかない人」と批判する声が上がっている状況だ。

 1カ月後に迫る戴冠式では、公務をしているシニア王族しかバルコニーに立てないことが明らかになり、出席しても冷遇されるのは目に見えているヘンリー王子夫妻。特に役割も与えられていないため、「欠席しても王室は困らないし、もはやどうでもいいと思っている」という見方も出ている。

 英メディアは、ウィリアム皇太子の長男で王位継承順位2位のジョージ王子が戴冠式で国王のローブの裾を運ぶ重要な役どころ「ペイジ・オブ・オナー」の1人に最年少で選ばれたということが大々的に報じられており、王族としてのヘンリー王子の存在感は薄れつつある。今回の裁判でも王室批判をしていたヘンリー王子だが、果たして戴冠式に出席するのか? 続報を待ちたい。

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2024/02/13 11:04
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