【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さまへの金銭援助は小室さんが就職しても続く? 天皇家“個人的出費”の歴史を紐解く

2023/03/25 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

 「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! 

(写真/GettyImages)

――先日、ニューヨーク在住の小室圭さんが晴れて弁護士として活動を開始し、年収も3倍以上になったといわれています。それまでも弁護士事務所に勤めているものの、法律事務職員だったので、物価高のニューヨークにおいて、それなりに暮らすには足りない額の年収だったといわれています。小室さんが、眞子さまのご実家である秋篠宮家から何らかの金銭援助を受けているのではないかという噂は根強くありましたよね。

堀江宏樹氏(以下、堀江) 2022年5月に発売された、ジャーナリスト・江森敬治さんの著書『秋篠宮』(小学館)でも、眞子さまの結婚問題についての言及がありましたが、秋篠宮家による小室夫妻への金銭援助に関する情報はゼロ。質問された形跡さえありません。

――それは、なぜなのでしょうか?

堀江 絶対NG項目だったのでは?  だからこそ、秋篠宮家が金銭援助をおこなっていた可能性は高いし、また、小室さんが弁護士として勤務しはじめても、金銭援助は続くと思われます。

 昭和天皇に長く仕えた宮内庁職員の戸原辰治さんが残した史料をもとに書かれた、ノンフィクション作家・奥野修司さんの著書『極秘資料は語る 皇室財産』(文藝春秋、以下『皇室財産』)を読んで、その印象は強まりました。

 この本では、戦前・戦後の昭和天皇のプライベートマネーである「内廷費(ないていひ)」の使い道が調査され、語られているのです。

 プライベートマネーですから、何に、どういう形で使ったかを、公表する義務はありません。その中から、皇室を結婚によって離れ、民間男性の妻となった元・皇女の方々を中心に昭和天皇が少なからぬ額の金銭援助を、平たく言えば「お小遣い」という形で継続していた記録があるのです。『皇室財産』筆者の奥野さんは、こういうお金の使い方は、皇室に受け継がれている独特の贈答文化の表れではないかと考えておられ、それゆえ秋篠宮家から小室さんと結婚した眞子さまへの援助もあるのではないか、と推論しておられます。

――内廷費について詳しく教えてください。

堀江 宮内庁の説明を借りると、「天皇・上皇・内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるもの」の総称が内廷費です。これに対し、公的な出費に使われるとされるのが宮廷費。両者の区分は曖昧という指摘もありますが、令和3年の内廷費は3億2400万円で、宮廷費は118億2816万円です。

 一方、天皇家以外の皇族の方々には皇族費が支払われます。宮家の当主の方、妃殿下、そしてお子様がたにそれぞれ決められたお金が支払われています。たとえば、2020年に皇嗣となって以来、秋篠宮さまには毎年9150万円が、紀子さまには1525万円が支給されているそうです。お二人のお子様がたにも支払われているので、眞子さまが嫁いだ現在も、秋篠宮家全体で見れば1億円以上ですね。

 天皇家の内廷費、そして宮家に支払われた皇族費の両方が、どのように使われたかというデータは公表されません。

――宮家でも公開されないのに、それ以上にガードが堅そうな天皇家の内廷費……つまりプライベートマネーの使い道がわかってしまった経緯が興味深いですね。

堀江 その通りで、天皇によって内廷費がどのように使われたかについては、宮内庁の重役ですら、ほとんどが知らず、知ろうとすることも怖がって避けるそうです。つまり、タブーなんですね。しかし、昭和天皇に長年仕えていた戸原さんが、おそらく自身のための備忘録として、写していた記録の中に、天皇が親族に与えていた「御内儀費」……つまり天皇から家族に配られた「お小遣い」についてもわかってしまう詳細な記述が発見されたのです。

 これを見ると、昭和45年、公家の名門・鷹司家の男性に嫁いだものの、夫がバーのマダムと心中してしまった鷹司和子さんには毎月12万円、年額144万円が与えられています。和子さんは、亡き夫のお義母様の面倒も見ておられましたから、額が多いのでしょう。

 一方、岡山の実業家に嫁いだ池田厚子さんには年2回だけ、12万円が与えられました。真冬でも寒い売店に立って、タバコを売ったり、苦労なさっていたようですが……。

 また、ご主人が銀行にお勤めで、御本人も西武系の商業施設で勤務している島津貴子さんには、毎月2万円、年額24万円が与えられています。昭和45年だけでなく、これらの支出は毎年継続していたのでしょう。

桁違いの「お小遣い」うらやまし〜
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