コラム
知られざる女子刑務所ライフ157

「トー横のハウル」の死因は? 獄死が公表されない「闇」を元女囚が語る

2022/11/27 17:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

 獄死といえば、和ちゃんこと福田和子さんの病死も記憶に残ってます。和歌山刑務所で一緒だったのは何回か書いてますが、「獄死」やなくて、病院で亡くなってました。具合が悪なって救急車で外の病院に運ばれて、手術したけど、あかんかったんですね。脳梗塞のようです。

 瑠美たちは、ある朝突然「和ちゃん、亡くなったらしい」と聞いて大騒ぎでしたが、とっくに病院やったんですね。

 これもムショは公表しなくて、亡くなってから半年くらいたって新聞に出たんです。意味わかりません。

 ちなみに刑期の長さなどで分けられる男子刑務所とは違うて、女子刑務所は人殺しから万引常習犯まで同じ施設なのですが、和ちゃんみたいな人殺しのことも「ちゃん」付けで呼んでました。

 ちゅうか、今の人は福田和子も知りませんよね。1982年に松山市で同僚のホステスを殺して、整形して15年逃げてたんです。今は殺人の時効はないですが、昔はあって、時効直前にパクられ(逮捕され)たりして、テレビドラマにもなっています。

 こうゆう有名人は、ムショでは「芸能人」と呼んで特別扱いします。ずっと独房で、刑務作業も1人でさせられます。いじめとか自殺とかあったら、法務省やマスコミがうるさいからです。

 でも、「和ちゃん」は独房やないし、作業もみんなと一緒でした。本人が施設に頼んだのやと思います。本にも書きましたが、なかなか女親分的な雰囲気でした。

 ムショや拘置所は、収容者を「生かさず殺さず」がミッションやから、獄中で死ぬと所長さんたちは叱られないように必死で隠すようです。

 ちゅうか誰に叱られるんですかね。やっぱり法務大臣? 法務大臣は死刑の執行命令書にハンコ押すだけのカンタンなお仕事らしいですから、そんな人に叱られても痛くないですよね。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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Instagram:@rumichibi1209

瑠壬公式YouTube

最終更新:2022/11/27 17:00
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