コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験生の母が激怒! 「パパがコロナ」なのに夏期講習を休ませない……塾友の家庭は「非常識」

2022/08/13 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

写真ACより

 受験の天王山と呼ばれる夏。中学受験生の多くが受験塾の夏期講習に参加していることだろう。しかし、今年の夏は、子どもへの新型コロナウイルス感染が急増している最中だ。塾に行って勉強はしてもらいたいが、感染は防ぎたいと願っている保護者は多いと思う。

 小学6年生の葵ちゃん(仮名)は、6年の1学期に塾のクラスアップに成功し、夏期講習は、念願だった最上位クラスでの受講権利をゲット。

 ハイレベルの子たちと机を並べ、難しい問題に挑戦する毎日は、つらいことも多いだろうが、難問が「解けた!」と思う瞬間の手応えは、何ともいえない快感を生むらしい。葵ちゃんもそのタイプで、夏期講習にはりきって通っているという。

 ところが、今、葵ちゃんの母である優子さん(ともに仮名)は、とてもモヤモヤした気持ちを抱えているそうだ。なぜならば、夏期講習が始まってほどなく、葵ちゃんから、こんなことを聞かされたからである。

「葵の塾友達に香奈ちゃん(仮名)って子がいるんですが、香奈ちゃんのパパがコロナにかかって自宅療養中だっていうんですよ。そんな状況なのに、ママから『塾に行け』と命じられたらしく普通に受講しているそうで……。香奈ちゃん自身は熱が出ていないからって理由らしいのですが、本人から『もし、うつしたらごめんね』って言われたって聞いて、正直、いい気分にはなれません……」

 もちろん、各塾では、子どもたち、講師を含め、検温をはじめ、換気などの感染対策は執拗なくらいやっているのだが、家族が感染しているという情報は、申告されなければわからない。

「幸いにも、葵も香奈ちゃんも今現在はコロナにはなっていませんが、何というか、そういう非常識な考えを持つご家庭と一緒に受験しないといけないんだなってことが残念なんです」

 実は、コロナに限らず、感染症などにかかって体調不良であるにもかかわらず、ごく軽症ならば夏期講習に行かせるという保護者も、一部にはいるのが実態だろう。これには、いくつかの理由が考えられる。

 学校が夏休みの間に開かれる夏期講習は、受験勉強の時間が大量に確保できるという点がメリット。「塾での集中的な受験対策で実力向上を狙いたい」「できるだけ休まずに受講させたい」というのが親の本音だ。

 また、夏期講習代もバカにならない。大手塾であれば6年生の夏ともなると、おおよそ20万円ほどになり、これは、経済的によほど余裕があるご家庭以外は「高い!」と感じる金額だろう。

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