海外
親の功罪はとてつもなく大きい……

ジャスティン・ビーバー、『モダン・ファミリー』人気女優も……“毒親”に苦しんだセレブたち

2022/08/01 21:00
堀川樹里(ライター)

壮絶な10代を過ごしたドリュー・バリモア(写真:Getty Images)


 祖父はバリモア3兄弟として売れっ子だった人気役者、父親もカリスマ的俳優ジョン・ドリュー・バリモアと、父方は成功を収めた芸能一族。母親のジャイド(76)は売れない女優で、両親はドリューが生まれる前に破局。シングルマザーになったジャイドは、赤ん坊のドリューにカメラを向けても物おじしない才能を見いだし、生後間もなく芸能事務所に所属させた。生後11カ月でテレビCMデビュー、4歳で映画デビューを果たした。



 6歳でオーディションを受けたスティーブン・スピルバーグの映画『E.T.,』(82)に起用されたことをきっかけに、ジャイドは仕事を辞めて娘のマネジャーに専念。『E.T.,』は世界的に大ヒットし、愛らしくちょっと生意気な魅力あふれるチャーミングな子役・ドリューに、世界が夢中になった。

 父親はアルコール依存症で、ドリューに電話をかけ「金をよこせ」と怒鳴り散らしていたというが、ドリューはそんな父親に嫌気が差し、7歳でキッパリと絶縁宣言。その後、長年にわたり一切の関わりを絶った。



 天才子役としてもてはやされるようになったドリューだが、10歳になると幼女特有の愛らしさが抜け、かといってまだティーン役にも早いため、映画出演のオファーが激減。有名人だからと学校でいじめに遭っていた彼女は、母に連れられて毎晩のにようにパーティーやクラブに繰り出した。

 10歳の子どもが、酒を飲み馬鹿騒ぎする大人と遊ぶことが健康なはずはなかったが、ジャイドは「娘は特別だから子ども扱いしない」と夜遊びに連れていくことをやめなかった。世間に「子どもを夜遊びさせるなんて!」と批判されても、ジャイドは「娘をいじめる子どもたちがいる学校に行かせるより、彼女を受けて入れてくれる大人たちと一緒に遊ぶことのほうがいい」「パーティーはビジネスでもあるから」と夜遊びを継続。

 その結果、ドリューは喫煙、飲酒を始め、さらには10歳でマリファナ、12歳でコカインに手を出し、ティーンを目前にして荒れた私生活を送るようになってしまった。ジャイドも喫煙を始めた時に気がついたものの、「息抜きが必要だろう」と放置したという。



 しかし、事の重大さに気づいたジャイドは、自分ではどうにもならないと、ドリューを軍隊並みに厳しいリハビリ施設に入所させた。断薬に成功したが、タブロイド紙に「ヤク中」だとすっぱ抜かれ、精神的に追い詰められたドリューは14歳で自殺未遂。同年に自叙伝をリリースし、自分の身に何が起きたのか説明したが、すでに定着してしまった「とんでもない不良少女」のイメージが消えることはなかった。



 14歳にして、法的に親から自立する権利を求めて裁判を起こし、15歳で母親と対立することなくその権利を獲得。プロデューサー業も始めるようになった20代半ばから落ち着き、大ヒット映画シリーズ『チャーリーズ・エンジェル』でトップ女優にカムバックした。

 3度の結婚生活はうまくいかなかったが、娘2人に恵まれ、2020年からは冠トーク番組をスタート。大物スターを次々とゲストに招き、大きな話題を集めている。現在、母ジャイドとは和解しているが、「普通の母娘の関係にはなれない」とは感じ続けていると明かしている。


【インスタグラム】

https://www.instagram.com/p/Ce3kCvzrT_J/
(子役時代のドリュー)

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