老いゆく親と、どう向き合う?

親の年金で暮らす兄は、認知症になった母を放置していた――「そんな金どこにあるんだ」

2022/06/19 18:00
坂口鈴香(ライター)

兄は「そんな金どこにあるんだ」と激怒

 兄に話をすると、案の定「その必要はない。そもそも、そんな金どこにあるんだ」と怒り出した。

 庄司さんは、兄が反対していることは伏せて、ケアマネジャーに母親の状態を説明し、今の介護サービスだけでは不安だと訴えた。話を聞いたケアマネジャーもこのままでは問題だと感じたらしく、小規模多機能施設を紹介してくれた。

「週3回のデイサービスに加えて、必要に応じて泊まりもできるし、訪問介護もしてくれるそうです。着る服や着替えも施設で預かって、洗濯もしてくれると言ってもらえて、本当に安心しました。これなら兄がデイサービスの準備をしてくれなくても大丈夫です」

 兄の反対を強行突破できたことに、ハードルをひとつ越えたと肩の荷を下ろした思いだった庄司さんだったが、母親が小規模多機能施設を利用しはじめると、また兄が難癖をつけはじめた。

――続きは7月3日公開

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坂口鈴香(ライター)

坂口鈴香(ライター)

終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終末ライター”。訪問した施設は100か所以上。 20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、 人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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最終更新:2022/06/19 18:00
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