コラム
【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

スピリチュアルな教祖様たちも、「反ワクチン」に傾倒? 陰謀論を“利用”する人々の実態

2021/09/25 14:00
黒猫ドラネコ(ライター)

 では、具体的にどんな動画配信者がいるのか、私が注視している人を挙げていきます。まずは、特に新型コロナウイルス関連の陰謀論を煽っている「ポジティブ・エボリューション」こと、ドイツ在住のめいこ氏。YouTubeのチャンネル登録者数は5.5万人で、動画の再生回数は多い時で10万回を超えていました。しかし、どうやらメインチャンネルは“アカウント停止”(BAN)となったようで、現在はセカンドチャンネルで活動しています。

 メインチャンネルで5月に投稿されていた動画内では、「EUワクチン報告済み死亡者数」として、ワクチンを提供している4社と死亡者数を一覧表で紹介。また、ワクチンによって起こった「女性の生殖器と胸部への副作用」の件数も発信し、“反ワクチン”を訴えていました。

 しかし、「情報ソース」として掲載されていたサイトに飛んでみると、カナダの極右ニュースサイト「ライフサイトニュース」だと判明。同メディアはコロナ禍の前から頻繁に陰謀論を取り上げていたようで、今年2月には新型コロナの誤情報を動画で公開したとして、運営していたYouTubeチャンネルが停止になっています。こうした媒体を参考にしている時点で、彼女の発信も疑わざるを得ませんが、オンラインで講演会などにも出演し、“反ワクチン派の女神”的な扱いになっているようです。

 次に、芸能プロデュース業のようなこともやっている、古参の配信者・JOSTAR氏。YouTubeのメインチャンネル「JOSTAR CHANNELジョウ☆スターチャンネル」は登録者数8.7万人で、動画の再生回数は多いもので9万回ほど。派手な帽子を被って、ライブ配信を中心に更新していることもわかります。

 その内容は、JOSTAR氏がマイクを片手に延々と話しているだけですが、どの動画もほぼ1万回以上は再生されているので、ほどほど良い稼ぎになっていそう。なお、「米トラQ 救世主は未来人」「世界怪物大作戦Q」などタイトルに頻出する「Q」とは、米国ではポピュラーになった陰謀論の権化である謎の存在「Qアノン」のこと。日本でも話題になりましたから、耳にしたことがあるかもしれません。彼は日本在住ながら「Q」の“事情通”だと匂わせているのです。

 自身のTwitterでは、日常的に起こる事件や事故、さらに芸能ニュースを紹介しながら、「Qかな」「なんか不思議」「やはり来た予想通り」などとコメント。さも“仕組まれた出来事”であるかのように、意味深な投稿を続けています。最近では、俳優・岡崎二朗の息子である岡本一兵衛氏と行動を共にし、有名人や政治家の写真を取り上げては「ゴム(を被った偽者)」とよく語っていますが、失礼極まりなく、何が面白いのか私にはさっぱりわかりません。

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