コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき89

神戸山口組脱退で「神戸山健組」発足!? 元極妻が考える半グレの台頭と「ネオヤクザ」

2020/09/27 16:00
待田芳子(作家)

 「今のヤクザには任俠の心などない」と言われて久しいですが、さすがに(単なる犯罪集団の)半グレよりはいいんじゃないの……と思いながら見ていたら、この「元山口組組員」氏が、気になることをおっしゃっていました。

「(半グレ集団のメンバーは)『手下』じゃなくて、『仲間』なんですよ」

 なるほど。みんな「仲間」を求めているんですね。これまでは戦後の貧しい時代を中心に、頼りがいがあって男がほれる「親分」や「兄貴分」に人気があったと思うんですが、もっとラクでゆるいヨコのつながりがいいんですね。山口組時代に、親分に恵まれなかったのかな。

 でも、だからっつって、独り暮らしのおばあさんのところにタタキに入っちゃダメよ(笑)。もはや任侠の心が「ない」といわれてるヤクザの中にも、ヤクザには「オレオレ詐欺とか、年寄りを泣かせるようなことはしない」という矜持を持ってる人はまだいると思いますよ。

 もっと言っちゃうと、半グレの台頭は、戦後のGHQの支配の時と似ています。GHQは、国家神道の廃止や警察権力の弱体化とともにヤクザ組織の解散を内務省に指示したわけですが、これによって「愚連隊」が強くなっていったんですね。まあ今は不況や暴排のせいで半グレもヤクザも犯罪をやるしかないのでしょうが、昔の愚連隊はスター的な存在でした。万年東一さんや、安藤昇さんですね。半グレの「グレ」には、「愚連隊」の意味もあるようですしね。

 宮崎学先生によると、万年さんは「ヤクザは、窮屈でいけないよ」と口癖のように言っていたそうですが(小説『万年東一』角川書店、絶版)、亡きオットの兄貴分の兄貴分的なレジェンドヤクザ氏(故人)は、「万年さんも安藤さんも、愚連隊というより立派な親分だった」そうですから、どうですかね。

 万年さん的には、ヤクザ社会が上下関係やしきたりに厳しいことをやんわりと批判されていたのでしょうか。テレビに出ていた半グレ氏にはまったく共感できませんでしたが、「手下より仲間が欲しい」というのは、万年さんと共通してるかもしれません。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2020/09/27 21:33
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