コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき87

山口組“再分裂”で「元さや」は絶望的? 元極妻が語る「神戸山口組」の5年、やくざの「プライドと金」

2020/08/30 16:00
待田芳子(作家)

 何回か書かせていただいていますが、本来の組織の「会費」(警察用語の「上納金」)とは、抗争などで組のために戦った者の裁判と懲役、入院費あるいは葬儀、家族のケアなどのためにプールしているものです。親分がカノジョと高級車で高級フレンチに行くためのお金ではないのですが、まあそういうところでもめることもあるわけです。

 この神戸山口組の「御挨拶」に対して、司忍組長は直参への「手紙」という形で心情を吐露しています。

「今回の不幸(=神戸山口組の結成)も新生山口組の時代の始まりととらえ、公私共に柔軟に対応し『道無き道を歩く』、道を切り開くんだという心意気で前向きに歩むことを望む」とあり、離脱者が出たことを「不幸」としながらも、新しい山口組のためにポジティブに行こうと呼びかけました。

 まあ実際には、この後に対立抗争が始まるわけですが、事務所にトラックで突っ込む車両特攻など罪が軽いものが多く、さすがに死傷者100人クラスの「山一抗争」(1984〜89年)のようにはなりませんでした。

 理由はいくつか考えられますが、やはり厳罰化で懲役が長くなっていること、長期刑を務めるヒットマンを経済的に支える資金や人的サポートが難しいことがあるでしょうね。もちろん何人かは射殺されていますし、これからも起こるかもしれません。そうはいっても、山口組が分裂したあとに誕生した組織からも離脱者が出るのは、前代未聞と言っていいでしょうね。

 この離脱も、六代目側からの襲撃への報復(カエシ)をしていないことや会費の高さが原因とされています。やっぱりプライドとお金なんでしょうね。

 さて、神戸山口組を出た山健組は、「山口組」という名を使わず、一本独鈷(いっぽんどっこ=大組織に所属せず独立を維持している組織)で行くそうですから、六代目山口組に復帰することはないようです。まあこれからは、地域に根差した一本独鈷が求められるかもしれません。「お盆明けに大きな動きがある」との予想もありましたが、特に何もなく、なんか静かですよね。とりあえず静かなほうがいいと思います。いろんな意味で。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2020/08/30 16:00
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