カルチャー
[サイジョの本棚]

『わたしの外国語漂流記』レビュー:読み物としてもおもしろく、外国語習得のヒントも得られる1冊

2020/04/18 19:00
保田夏子

――本屋にあまた並ぶ新刊の中から、サイゾーウーマン読者の本棚に入れたい書籍・コミックを紹介します。

『わたしの外国語漂流記 未知なる言葉と格闘した25人の物語』(松村圭一郎、佐久間裕美子、丸山ゴンザレスら著/河出書房新社)

【概要】

『わたしの外国語漂流記』(河出書房新社)

 世界を渡り歩く武器でもあり、自分と海外の人々を結ぶよすがにもなる「外国語」。言語学者や文化人類学者、通訳、トラベルコーディネーターなど複数の言語を駆使する職業に就く人から、『クレイジージャーニー』(TBS系)で広く知られたジャーナリスト・丸山ゴンザレス、元テニス選手の杉山愛、タレント・LiLiCoら、さまざまな分野で活躍する25人が、自身の学習法や、言語習得にまつわる思い出、語学を学んで得られたことについてつづるエッセイ集。

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 職業も年齢もばらばらな25人がそれぞれ「外国語」を学び、格闘した思い出をつづったエッセイ集『わたしの外国語漂流記』は、その言語の多様さから、自宅に居ながら世界各地を巡ったような気分を味わえる1冊だ。言語学者や通訳といった「プロ」から、タレント、スポーツ選手、料理人など海外に進出するために学んだ人まで背景はさまざまだが、「母語以外の言語」を学ぶ苦楽、習得した人だけが得られる醍醐味が語られている。「14歳の世渡り術シリーズ」の1冊として出版され、若い読者向けに読みやすい言葉で書かれてはいるが、大人が読んでもこの先の時代を生き抜くための示唆に富んでいる。

 本作のユニークなところは、英語や中国語、スペイン語など比較的話者が多い言語を学習した人々のエピソードと併せて、グリーンランド語、ハワイ語など、他の公用語と併用されている地域言語や、さらにカラーシャ語といった文字を持たない言語、ユネスコ(国連教育科学文化機関)から「消滅危機言語」に指定されているという日本の方言・奄美語など、普通なら一生出合うことなどないであろう多種多様な言語が取り上げられている点だ。

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