コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験本番、プレッシャーで「腹痛」に……お試し校「不合格」の親子を救った人物とは?

2020/01/26 17:30
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 各地で中学受験の本番を迎え、いよいよ、来週末からは東京・神奈川での「最終決戦」が繰り広げられる。本命校受験を前にした親子は、まさに“落ち着かない日々”を過ごしていることだろう。特に「うちの子は本番に弱いのではないか」と我が子のメンタルを心配している親の気苦労は計り知れない。

「普段の“振り返りテスト”はできるのに、模試だとできなくなる」
「家で過去問をやれば点数が取れるのに、試験会場に行くとダメだ」
「今までの模試で良かった試しがない」

など、「受験本番でも同じことが起こるのでは?」という不安に苛まれ、頭に浮かぶ文字は「不合格」の3文字……。こうなると、悪い予感しかしなくなり、ますます心配になって、負のスパイラルに突入しやすいのだ。

「腹痛に見舞われるのでは」という不安で腹痛に

 確かに「本番に弱い子」というのは存在する。茜ちゃん(仮名)も、母の幸子さん(仮名)が太鼓判を押すほどの「本番に弱い」タイプであった。

 小学校4年生から通っている中学受験塾の成績は悪くはない。茜ちゃんはコツコツ型で、塾の復習テストも毎回、好成績である。それなのに、模擬試験会場やほかの校舎でテストを受けると信じられないほどのミスを連発するそうだ。

「誰に似たのか、茜は本当にプレッシャーに弱くて……。模試になるとおなかが痛くなるんですよ……」と幸子さん。

 なんでも、初めての模試の会場が、マンモス大学と呼ばれている校舎だったらしく、茜ちゃんはその雰囲気に気後れしてしまい、さらに会場が広すぎたせいでトイレの位置がわからず、粗相をしてしまったそうだ。

 粗相と言っても他人には気づかれないレベルだったというが、このことが年頃の少女にはトラウマになってしまう。以降、茜ちゃんは模試を受けるたびに、「腹痛に見舞われるのではないか?」という恐怖と戦ってきた。しかも、そのプレッシャーによって、本当におなかが痛くなるようになったとのこと。

 当然、幸子さんは、模試前の食事に消化の良いものを出したり、小児科でもらった整腸剤を飲ませるなどの対策を取ってきたが、効果はない。さらに神経内科に通わせるも、症状は消えなかったという。

 1月受験では、ついに電車の中でも腹痛を起こし、ようやく受験会場に辿り着いたものの、結果は残念ながら不合格。「本番のためのお試し」受験であったにもかかわらず、その「お試し」さえも落としてしまった親子は、失意のどん底に落ちた。

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