コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験の過酷さは「ブラック企業」並み? 小6秋の「偏差値暴落」に焦った母とパンクした娘

2019/11/10 16:00
鳥居りんこ

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 中学受験塾ではこの時期「受験本番まであと〇日」というカウントダウンの数字が張り出されることが普通だ。世のクリスマスムードとは真逆に、ドンドンと暗い気持ちになっていく親子が増える季節、親が子どもを追い詰めてしまうという事態が、少なからず発生してしまうようだ。

美奈子さん(仮名)とエリカちゃん(仮名)親子も、真っ暗な気持ちになっていた。秋の公開模試が史上最低の結果となって戻ってきたからだ。美奈子さんはその成績表を見て言葉を失ったという。

「今まで、目にしたこともないような偏差値でしたし、志望校別合格確率の欄は第5志望に至るまで、全て『受験校再考』を促す記述で埋められていました」

 そこで、焦った美奈子さんは我を忘れて、エリカちゃんを罵倒しまくったらしい。

「どうするつもり、こんな成績で?」
「ここ! こないだもミスった! 何やってるのよ、頭悪すぎ!」

 黙ってうなだれているエリカちゃんに向かって、美奈子さんはこう命令したという。

「とにかく今日からは、ママが決めた課題をやってからじゃないと寝ちゃダメ!」

 中学受験界は時に過酷で、ブラック企業で働いているような状況に陥ることがなきにしもあらず。小学校で普通に授業を受けた後、休憩もなく塾に行き、そこで午後9時くらいまで講義に参加、自宅に戻ってからも復習が待っている。さらに、土日はテストと、こうしたスケジュールが、中学受験では「一般的」なのだ。

 エリカちゃんの場合、これらに美奈子さんが課した「受験対策プリント」が加わったため、眠るのが深夜1時を過ぎることが多くなっていたそうだ。当然、エリカちゃんは小学校で居眠りばかりしているので、担任の先生が心配して、美奈子さんに連絡をくれたそうだ。

 しかし美奈子さんは、この先生が「受験反対主義」なのだと思い込み、その心配の声を封じてしまったという。

「でしたら、エリカは明日から、学校へは行かせません!」

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