コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

「娘の受験校」というトップシークレット漏洩! 中学受験界のママ友マウンティングとは?

2019/09/20 17:00
鳥居りんこ

 小さな苛立ちを募らせていたゆかりさんの怒りが頂点に達したのは、麻耶ちゃんが6年生の晩秋、車の中での亜子ちゃんの発言だった。

「麻耶ちゃん、志望校、決めたの? どこ? 教えて! お願い! お願い!!」

 中学受験界において「受験校」はトップシークレット。できれば、公にはしたくないというのが普通である。麻耶ちゃんも当然、答えに窮していたため、ゆかりさんは「亜子ちゃんが先に教えて!」と助け舟を出したという。すると、亜子ちゃんは平然と、

「ダメなの。ママが亜子の情報は流しちゃダメ! って言うから、言っちゃいけないの」

と拒否したという。

 ほどなくして、ゆかりさんがトドメの一撃を食らう出来事が起こった。その頃開かれた学校の保護者会で、非受験組であるはずのクラスメートのママたちから、こう言われたそうだ。

「麻耶ちゃんは(最難関の)O学園を狙っているんですって? できる子は違うわね~?」

 O学園は志望校の1つではあったものの、麻耶ちゃんも含めて、他人には公言してこなかったというゆかりさん。不思議に思って「誰から聞いたの?」とママたちに尋ねてみると、最終的に、「犯人は亜子ちゃんママ!」と確信するに至ったという。

 それから、ゆかりさんは「先日、事故を起こしかけたので、申し訳ないけど、今後、送り迎えはできない」ということにし、徹底的に亜子ちゃん母子を避けることにしたのだそうだ。

 麻耶ちゃんと亜子ちゃんは、お互いを嫌っていないばかりか、それなりに仲のいいお友達付き合いをしていたにもかかわらず、それ以来、2人の仲も急速に冷え込んでいったという。

 現在、2人は無事に中学生になり、それぞれの志望校に通っているが、今では道で出会ったとしても、母子ともに、挨拶を交わすこともない仲になっているという。

 中学受験は本当にナーバスな世界。ママ友は百害あって、一利なしである。受験は母にとっても孤独なものであることは承知しているが、そういう時こそ「自分は自分、よそはよそ!」という呪文で、「人恋しい」という気持ちを遠ざけよ! と進言しておきたい。
(鳥居りんこ)

最終更新:2019/09/20 17:00
アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  2. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 体育会系幼馴染は世界一の溺愛男子~全人類の好感度がある日見えたリケジョの私~
  5. 淫魔上司は不器用な溺愛男子~インキュバスが魅せる激甘淫夢は人外の快感~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト