30代以下の専業主婦が「働いていない罪悪感」強く感じる傾向 一億総活躍社会への異論

専業主婦・主夫経験者が「罪悪感を覚えたことがある」との調査結果を、12月13日の『スッキリ!』(日本テレビ系)が伝えた。

 これは株式会社ビースタイルが11月に発表した、主婦向け人材サービス『しゅふJOBパート』で「専業主婦への罪悪感」に関するアンケート調査の結果だ。

 アンケートは今年5月23日~6月4日、ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者を対象に、無記名式のインターネットリサーチで実施され、有効回答者数は専業主婦・主夫経験者の815名。同社は今年8月にも同様の調査結果を発表しており、その際にはwezzyでも記事にまとめた。

専業主婦・主夫であることの罪悪感、「稼いでいないから」

 「専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことがありますか?」の質問には、「ある」25.4%、「少しはある」31.2%、「ない」41.7%、「その他」1.7%の結果が出ており、56.6%の人が少なからず後ろめたさや罪悪感を覚えた経験があるということになる。

 そしてこの結果を、子どもがいる・いない別、年齢別に集計したところ、罪悪感を覚える人の割合は、子どもの有無や世代によって変わってくることが判明したという。子どもがいない人で「ある」「少しはある」と答えた割合は69.6%と7割近くになっており、子どものいない専業主婦・主夫がより罪悪感を覚えやすい傾向にある。

 子どもがいる・いない別で回答者のフリーコメントを見ていくと、まず、子どものいない専業主婦・主夫には、<子どももおらず、自由に時間を使っているが、この時間に何か少しでも収入があれば、もっと金銭面で余裕が出てくるのではないかと考えるため>(20代・罪悪感を覚えたことあり)、<何の存在意義もないと感じてしまう>(50代・罪悪感を覚えたことあり)などとあり、子育てに時間を割かれない分、働いていないことや収入がないことを後ろめたく感じてしまうようだ。一億総活躍社会が謳われ、人手不足が叫ばれる昨今、なおさらかもしれない。

 一方で、「子どもが小さいうちは傍にいてあげるべき」という価値観が残る日本では、子どものいる専業主婦・主夫は受容されている印象があるが、子どものいる専業主婦・主夫であっても、<あとで聞いた話ですが、働くお母さんで集まった時に健康なのに働かないなんてと言われていたようです>(40代・罪悪感覚えたことあり)という人もいれば、<逆に何が後ろめたいかがわからない。子育てに専念して何が悪いのでしょうか?保育園に入れて働く方が、皆の税金を使ってるので、後ろめたい気になるかもと思う>(40代・罪悪感覚えたことなし)という人もいる。

 また、年代別に集計したところ、30代以下では罪悪感などを覚えた経験を持つ人が70.1%なのに対して、40代は60.7%、50代以上は45.7%と、若い世代であるほど罪悪感を覚えやすい傾向がある。

 たとえば20代・30代の「罪悪感を覚えたことがある」人たちのコメントには、<生活はできるものの何かあるとすぐにお金に困るので(20代)、<いいご身分だねと言われた>(20代)、<勤務していたときの同僚が昇進したり、ワーキングマザーとして活躍している話を聞いたとき、入社したときは同じスタートラインだったのにこんなに環境が違うのか、それに比べて自分は何も成長できていないと感じたから>(30代)、<同い年の方がバリバリ仕事をしているから 家計は決して余裕があるわけではないから(30代)などとある。専業主婦・主夫世帯よりも共働き世帯が多数派、共働きでなければ生活が成り立たない家庭も少なくないと言われる現代において、専業主婦・主夫経験のある20代・30代は、働いている同世代と比較してしまったり、あるいは経済状況を鑑みて、罪悪感を覚えてしまうようだ。

 一方、50代・60代の「罪悪感を覚えたことがない」人たちからは<お金を自由に使っていましたし、余裕があったので楽しい毎日だった>(50代)、<当たり前だと思った>(50代)、<専業主婦であったことは、むしろ誇りです>(50代)、<専業主婦は過酷労働でもあると思っています。企業戦士である夫の健康維持に努め、食事、睡眠等々、細やかに、ある意味管理しなければならない。育児にしても、三つ子の魂百までと言われるよう、しっかりと抱きしめ、無添加の良質な食事やストレスの無い環境づくりに夫同様、もしくはそれ以上に気を遣ってきた。達成感を感じることはあっても、誰に対しても後ろめたさや罪悪感なぞ感じたことはない>(60代)などのコメントが寄せられ、専業主婦・主夫であることに疑問や迷いが一切感じられない印象だ。<時代背景がまだ共働き家庭がいまほど多くないときだったから>(60代)とのコメントもあるように、今の50代・60代は専業主婦・主夫が多数派だったことも関係しているようだ。

 さて、12月13日の『スッキリ』(日本テレビ系)は、この調査自体に批判的だった。加藤浩次ら出演者たちは、口々に反論を述べたのだ。

 「専業主婦とそうじゃない人という分け方そのものがちょっと乱暴じゃないか。専業主婦でもいろんな人もいるし、働いていてもいろんな人がいて、カテゴリー分けすることで、双方『隣の芝生は青く見える』になってしまう」

 「罪悪感を感じますか? という聞き方自体が意地悪」

 「主婦(向け)の人材サービスの会社がやってる案件だから、専業主婦に対して罪悪感を感じる人が多い結果になるのがわかる気がする」

 「家事は女性の方が人生の貴重な時間を費やしてやっているのだから、GDPや金銭に現れないとしても、評価というか『ありがとう』という気持ちを持つのは当然ですし、夫婦の話し合いによってフレキシブルに組めばいい」

 「それぞれの夫婦の形がある」

 「まったく罪悪感さとか後ろめたさを感じる必要はない。好きなことやっていきましょうってシンプルに思うだけ」

 「罪悪感ではなく、それぞれのハッピーにフォーカスしたい」

 働く/働かないも、家事分担もそれぞれの家庭で話し合って決めればよく、罪悪感など覚えなくていいというのが番組の総意のようであった。

 また、「一億総活躍というワードが独り歩きしていて、『外で働いていないとダメなんだ』という風にインプットされ過ぎているのではないか? 専業主婦(主夫)を選ぶ権利だってある」との指摘もあった。たしかに女性活躍推進法が施行されるなど“女性の活躍”“女性が輝く社会”が謳われるようになったが、“活躍している”“輝いている”と誰が決めるのだろうか。

 ただ男性のほうが「外で働いていないとダメ」という規範意識や抑圧は強く作用している。妻や子供を養えるだけ稼ぐのが立派な男であり、馬車馬のように働くことが是とされてきた。しかし別の方向からは育児や家事も分担するべきだという風潮も流れ、板挟みになってつらい思いをしている男性だって少なくないだろう。

 『スッキリ!』では視聴者の意見も紹介されたが、専業主婦を選んだ理由は育児、介護、病気などさまざまで、夫に専業主婦になることを望んだためという場合もある。もちろん、共働きを選んだ人だって理由はさまざまであり、働くすべての人が“社会で活躍したい”“輝きたい”と望んでやっているわけでもなく、また、子どもを保育園に預けて働くことに罪悪感を持つ人もいる。今働いていても、今後何らかの理由で働くことができなくなる可能性だってあり、働く/働かないや専業主婦/共働きとカテゴライズすることにどんな意味があるか。

 それぞれが自分で考えあるいは家庭で話し合って納得できる道を見つければよく、そもそも人は「お国のため」に働くのではない。北風と太陽ではないが、低賃金や激務の職場でいくら人手不足だと叫んでも、「大変そうだから働いてあげよう」などと考える人は皆無だろう。「働かせたい」のなら、必要なのは太陽だ。職探しへの支援、過重労働対策、フレキシブルな働き方の幅を増やしていくこと、ブラックな職場環境の改善など、「働くことがお得」とまでは言わないが労働意欲を喚起する「太陽」的な方法をとることが「一億総活躍社会」への近道だろう。

最終更新:2018/12/16 20:00

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