美容・健康
大久保ニューの【美のぬか床】 第9回

オーガニック臭じゃ喰えない? 対オトコへの美容は「シャンプーの匂い」が要!!

2014/01/05 16:00

  絶対ではないだろうが、「男はシャンプーの匂いが好き」という事実があるに違いない。「性のめざめ」の舞台として「風呂場」が似合っているし、「声もかけられない憧れの女子からシャンプーの香りが」なんてのも、少年漫画にありそうな感じだ。おそらく男子の性の根源的なサムシングに訴えかけるものがあるのかもしれない。そもそも男という生き物は、女が心血注いだ美容のあれこれを全然気にしないことが多い。前髪1ミリ切りすぎようと、深酒で顔がむくんでようと、うっかり眉毛を描き忘れようと、案外気づかないものである。その昔、メイク落としのCMを男と一緒に見ていたら、「水野真紀ってスッピンでもキレイだなあ」とか男が言うもんで、「はあ? バッチリ化粧してんじゃん!?」とキレてしまい、大ゲンカになったことがある。しかし、そんな男ですら髪の匂いは「いい匂いだなあ☆」と満足そうだった。鈍感な男にも、匂いというのはアピールが強いのだ。

  ところがどっこいである。最近のシャンプーは、匂いが薄い。濃いのもあるが、大抵それはケミカルな代物で、悲しいかな私はそういうシャンプーを使うとモーレツに頭がかゆくなってしまう。ノンシリコン系や石けんシャンプーは、たいてい洗い上がりの匂いが薄い。そしてオーガニック系の値段の高いシャンプーなんかは 「なんじゃこりゃ?」って匂いが多い。

  数年前、安彦麻理絵さんから「とにかく使って、匂いを嗅いでみて!」とプレゼントされたシャンプーは、使ってビックリ「ハムの匂い」がした。食欲旺盛な男子にウケがいいかもしれないが、ときめかせはできないだろう。別の友達からもらったオーガニック系のシャンプーは、使用後に会った男子から「大久保さんの髪、おばあちゃん家の匂いがする☆」と言われた。もらった時は「柑橘系だ☆」と思った匂いも、よくよく考えれば「塗り薬のキンカン」の匂いだった……違う!

 「匂いがするシャンプーってヤダ」という女子は、私の周りにも結構いる。ハムの匂いよりかは無臭がいいが、それじゃあ男子をうっとりさせられない。最近のシャンプーには、まったくの無香料で「香りは後からお好みの香りを付けてください」というのもある。映画版の『SEX AND THE CITY』で、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーが、パーティーに行く前に髪に香水を振りかけていたが、そういう方法もアリだろう。でも、なにかそれは「可愛くない」と思えてしまう。決してサラが可愛くないとかではない。髪に香水って、自己演出の技能がハイレベルな「女のプロ」って感じがしてしまうのだ。所詮、私も田舎育ちの昭和の子。「シャンプーの香り」に対して男子と同じ幻想を抱いているのかもしれない。

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