コラム
深澤真紀の「うまないうーまん」第4回

「女性差別」は悪化してる? 女性を取り巻く「痛い」「こじらせ」の新たなしんどさ

2013/10/20 16:00
イラスト:小野ほりでい

 前回の「『同じ女として』『同じ母として』は、女性の多様性を制限する魔の言葉」に、たくさんの反響や質問をいただいたので、今回はそれらにお答えしていきたい。

1.「同じ男」や「同じ父」の場合は「男性の多様性を制限」しないのか?

 「同じ女として」「同じ母として」 はよく使われる言葉だが、「同じ男として」や「同じ父として」はあまり使われない。むしろ使われるのは、「男として」「父として」だろう。

 つまり、女や母の場合は「同じ存在」として「群れる」ことが重要であり、男や父は、男や父としての「それぞれのあり方」を「競い合う」ことが重要なのだと思う。どちらも面倒くさいとしか言いようがないが……。

2.「同じ女」が助け合い、結束するのはだめなのか?

 世界の中で、日本女性の地位が非常に低いのは事実である。例えば、世界経済フォーラムが昨年発表した「The Global Gender Gap Report 2012」で、各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表し、日本はなんと135カ国中101位だった。この指数は、政治、経済、教育、保健の4分野があり、日本は教育と保健の順位は高いのに、政治と経済での順位がとても低いため、このような不名誉な結果になっているのだ。だから現状では、女性同士の結束が必要な場面はとても多いだろう。

 ただそこで重要なのは「同じ女」を重視するのではなく、「女性として不利益は受けないようにする」ことと、「さまざまな女性が生きられるようにする」ことを両立させることだと思う。

 また、最近では弱い立場の男性も増えてきたし、強い立場の女性も少しずつ増えてきた。これからは男女問わずに、同じテーマを持つ人間が結束していけばいいとは思う。

 ちなみに女子会は否定しないけど、「女子会」をすること自体が目的化すると疲れてくるので、「羊を食べる」とか「昭和歌謡を歌う」とかテーマを決めて集まる方が楽しいかなあとは思う。

3.男も女も「らしさ」にこだわるなと言うが、やっぱり男女の差は大きいのでは?

 男女の差はもちろんある。一番の違いは、この連載のテーマでもある出産だ。出産するかしないかは、出産可能年齢の女性にとっては大きな問題で、男性がそれを考えることはあまりないだろう。ただ逆に言えば、私のように出産可能年齢を超えた女にとっては、もうそのことを考える必要がない、という意味では気楽である。男の場合は、かなり年をとっても父親になることができてしまうので、それはそれで面倒くさい。

 それ以外の、「体力」とか「男性脳」「女性脳」などは、“男女の決定的な差”というよりは“男女の傾向”でしかないだろう。男の方が体力があることが多いが、女より体力のない男だってたくさんいる。男性脳や女性脳もまだまだトンデモ的な要素も多いし、男性ホルモンや女性ホルモンに至っては、男性にも女性ホルモンがあるし、女性にも男性ホルモンがあるので、それの多寡の問題でしかない。

 男女差に関しては、それぞれの人がさまざまな“偏見”を抱えているのだと思う。私は生物的な性差よりは文化的な性差(ジェンダー)のほうが大きいだろうと思っているが、まあこれも一種の“偏見”だし。

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