[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」8月号

読モが増えて個性が埋没!? 「I LOVE mama」カルチャーが一般化

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「I LOVE mama」2012年7月号
(インフォレスト)

 「モテ」企画の解禁、付録の封入と、ここ半年あまりで大きな変化をとげている「I LOVE mama」。現在「おしゃれブロガー」として人気上昇中のママモ・孫きょうちゃんを初めて表紙に据えるなど、読者モデルたちの新陳代謝も何やら活発な様子です。かつて「ラブモ神3」と言えば、デカ目の女王・日菜あこちゃん(27歳)、歌手デビューも果たした大工原里美ちゃん(25歳)、そしてクールな料理上手・木口千佳ちゃん(28歳)でしたが、孫きょうちゃん(22歳)をはじめとしたラブママ第2世代の波がじわじわ。孫きょうちゃんといえば、ファッションよりもメイクが重視されていたラブママに現在「オシャM(オシャレなママ)」というムーブメントを起こしている中心人物。ギャルママと一般人との差異を明確にしていたあこちゃんのデカ目メイクとは異なり、「オシャM」の流れはギャルママの「フツーにオシャレ」化を促進しているようです。果たしてラブママのアイデンティティーはどこに向かおうとしているのか、今月も心してレビューします。

<トピックス>
◎美ママたちのヤセ伝説!!
◎人気ラブママブロガー6人による誌上コメ返
◎ママ&ちびコふたりで5000円 安カワ夏おソロコレクション2012

■また別の角度のアイドル消費

 今月の特集は夏のお約束ダイエット。「7人で合計117kgヤセ(はぁと)2012夏 美ママたちのヤセ伝説!!」を見てみましょう。7人の美ママたちがそれぞれ独自のダイエット法で最高マイナス35kgの減量に成功したそう。「ラクしてヤセられるコトはない!!」「食べる前はどこでもストレッチ! 食べたきゃどこでもストレッチ!」「昨日よりも100g増えたらそれはデブと言う」など、気合の入った名言が扉ページを飾ります。

 気になるのは35kgのダイエットに成功した五十嵐アスカさん(27歳)。職業は……デコ師。デコ師とは、携帯などにキラキラ飾りを施す職人さんのこと。「職業・デコ師」カッコイイですね。「職業・旅人」と同じくらいイカしてます。

 脅威の35kgダイエットの中身は、曰く「“自分はアイドル♪”と思い込んで暗示をかけて美しくヤセよう」。AKB48の「ヘビーローテーション」で二の腕ヤセ、「フライングゲット」で太ももヤセ……といった具合に毎日アイドルダンス踊りまくりのダイエットです。驚いたのはももいろクローバーZの「Chai Maxx」(でお腹周り&下腹ヤセ)まで網羅していたところ。ラブママと縁遠いと思われていたサブカルの申し子・ももいろクローバーZ、ついにここまで……。「“成り上がっちゃいます~”からは片膝を地面ギリギリまで落として中腰になり、小島よしおのうぃ~を上下に“いえないよ”まで全力で行う」など、詳細な説明つき。

 しかしこのデコ師美ママ、加圧トレーニングしていたり、アミノバイタル飲んでたり、毎晩EMSマッサージも併用しながらのマイナス35kgヤセですので、「ジャニーズを毎晩踊ってるけどヤセないよ!」などとご立腹されることなきよう。その他「もっとキレイになりたい(はぁと)そしたら腰を回してたの♪」とセクシーにささやく「腰回しダイエット」ママや、白湯と釈由美子本で10kgヤセた釈ちゃん狂ママなど、オリジナリティーあふれるダイエット法が満載です。次ページに続く「最旬トレンド水着」を着こなすために、血のにじむような努力をする美ママたち。メイクは若干薄めに、ファッションもトレンドを意識しながら、と軟化を見せているラブママですが「デブ=死」という鉄の掟だけは健在のようです。

■ラブママもムラ社会

 ラブママのみならず多くの女性誌の生命線となっている「読モ」。ギャルママという未知なる分野にいち早く切り込んでいった「I LOVE mama」が、雑誌のシンボルとして最も大切にしているのがラブモ(ラブママモデル)たちです。カルチャーが濃すぎてタレントとの相性の悪い同誌ですから、彼女たちがいかに読者の心を掴むかが肝。だからこそこのような企画が成立するのでしょう。ラブモ公式ブログに寄せられた疑問やお悩みを誌上で返答する「人気ラブママブロガー6人による誌上コメ返」。ラブママ式メディアミックスです。

 野田華子ちゃんはメイク関連、孫きょうちゃんにはファッション、10カ月26kgヤセの白戸彩花ちゃんには産後ダイエット、メンタルケアスペシャリストの資格を持つ日菜あこちゃんには育児の悩み、大工原里美ちゃんにはちびコとのふれあい方について、木口千佳ちゃんには料理とキッチンコーディネートについて、ラブモたちの役割がきっちり細分化されていることに驚きます。

 「(下つけまのつけ方を教えて! という質問に)目尻との距離感が重要。田植えの要領で丁寧に!」「(着圧アイテムって夏は蒸れやすいけどどうしてるの? という質問に)リラリッチのクールトレンカがオススメ★」「(もうすぐ出産ですが、親としての実感がわかないという悩みに)その悩みは、すでに親心が芽生えた証拠(はぁと)」など、自分たちの言葉で丁寧に語るラブモたち。ほかの企画にも言えることですが、「I LOVE mama」では編集部の意見や色が極力出ないように細心の注意を払っているように感じます。より「ラブモたち(もしくは読者ママたち)はこうやってる、こう言ってる」と読者に届くように。

 だから、ただかわいいとかスタイルがいいではダメ、シンママだったり、元ぽっちゃりだったり、会社を経営していたり、子だくさんだったり、かつて夫のDVで悩んでいたりなど、バラエティー豊かなラインナップなのです。他雑誌の読モが「等身大かつ憧れの」という距離感を保っているのに対し、ラブモは「あくまでも同じ共同体の中の1人」。だから編集部もその共同体意識を壊さないよう、なるべく表に出ないようにしているのだと思います。読者ママたちが「よそ者」に過剰反応することをよくわかっているんですね。ブログコメントへの返信を誌上でなんてあまり見たことないですが、読者・ラブモ・編集部ががっちりスクラムを組んでる「I LOVE mama」だからこその企画なのでしょう。ちなみに日菜あこちゃんのブログタイトルは「日菜まつり」。うまいコト言うね~!

 ラブモたちの人数が増えるのにひとりひとりの個性が埋没し、雑誌としては大人しくなっている印象を受ける「I LOVE mama」。思えばこのところ、昭和なキャッチも図鑑のようなメイク解説も涙なしでは読み進められないツラバナ(辛い話)も影を潜めています。これも一般化の過程なのでしょうか。わかってはいても、世間に対してメンチ切るようなトガったラブママを期待してしまう私です。
(西澤千央)

「I Love mama」

ラブママがカルチャーじゃなく、ビジネスになった瞬間です

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