[女性誌速攻レビュー]nina's1月号

「うちらの趣味を押し付けていこうかな」、オシャレ子育て誌「nina’s」のポップな自我

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「nina’s」(祥伝社)1月号

 女性誌レビューに「nina’s」が3度目の登場です。キャッチフレーズは「私らしく、親子ライフ」。いわゆる”青文字系”の「Zipper」を擁する祥伝社が版元、ママ向け雑誌として確固たる地位を築いている「nina’s」。「ママになってもオシャレでいたい」という願いは、「I LOVE mama」(インフォレスト)や「VERY」(光文社)などとも共通するものですが、どうやら「nina’s」はその方向性が全く異なるようです。表紙のIZAM&吉岡美穂夫妻に「またもや笑えない鬼嫁トークを聞かされるんじゃ……」とドキドキしながら、さっそく中身を拝見致しましょう。

<トピックス>
◎We Love おうち 子どもがいると、おうちが楽しい!
◎東原亜希の母娘なかよしBeauty
◎憧れは、子だくさんママ!

■ママタレのチョイスが微妙です

 ママタレントがてんこ盛り、というのが「nina’s」の一つの特徴。今月号ではインタビューに藤本美貴、インテリアページに須藤理彩、MINMI、hitomi、ビューティーページに東原亜希、連載に千秋、豊田エリー、カヒミ・カリィ、乙葉……どうでしょう、この抜群のメンツ! 同じ女性としてこれといった引きはないにもかかわらず、「子どもを産んだ」ということで箔が付いたタレントさんたちが並びます。

 では一体みなさんどんな内容を語っているのでしょうか。いつも謎の大物感を醸し出しているミキティーこと藤本美貴。「とりあえず痛みも味わってみようかなと思って普通分娩を予定しています」と、出産に関しても強気の発言。居酒屋の一杯目生ビールの如く、普通分娩を「とりあえず」選択するなんて、さすが「常に目は笑わず相槌に心が無い」でおなじみのミキティーです。さらに「できることなら卵で産んで温めたいですよね(笑)」と、往年の宇宙人女優・秋吉久美子姐さんの「卵で産みたい」発言をなぞらえるようなコメントをかまします。さとうきび畑にいるわけでもないのに、胸が「ザワワザワワ」。

 冒頭のインタビューページでヘコたれていたら、「nina’s」は完読できません。表紙のIZAM&吉岡美穂のインタビューでは「メディアでは鬼嫁ってなってるけど、うちはこ~んなに幸せです」と語り散らし、つい最近離婚したhitomiは「木の温もりあふれる家具にポップな色合いのおもちゃを並べて、ドヤ顔ならぬ”ドヤ部屋”を披露、そして一体どれだけの需要があるか分からない東原亜紀のビューティー情報。そんなこんなで、新連載「乙葉のママライフ んふふな毎日」にたどり着いたころには、ツッコミ心も完全に不感症。火曜日に藤井隆と中華でランチしたとか、日曜日に親子でキッザニアに出かけたとつづられる「んふふな毎日」は、死んだ目で読みました。

 そして筆者気づいてしまったのです。東原亜希、乙葉、豊田エリー、hitomi……「nina’s」に登場するママタレントたちが、結構な割合で「さげ○ン」だという真実を。ほっこりおしゃれなママライフ、その裏側にあるものって一体なんなのでしょうかね。

■カタカナ職業への憧れが……痛い

 「I LOVE mama」であれば、巻末に「ツラ話」ページなどを持ってきて、現在の幸せを逆サイドから見せるような構成になっているのですが、目を皿にして探しても「nina’s」にはそのようなどんよりページは存在しません。そもそもこの雑誌には「早すぎる妊娠」とか「ダイソー」とか「冷蔵庫の節約ビラビラ」とか「嫁姑問題」とか、ポップじゃない輩は存在しないのです。

 そのことは特集「We Loveおうち」でも明らか。「子どもがいると、おうちが楽しい!」と銘打たれたこの企画。ため息が出るほどオシャレなお宅が続々と登場します。目黒川沿い、代々木上原あたり、もしくは海の見える葉山で……趣向を凝らしたリビングに、自然光と子どもたちの笑顔がこぼれる、といった具合。

 写真同様、文章も自然光をまとっています。「奥まった書斎のステレオから、フィッシュマンズの『空中キャンプ』がリビングまで心地よく届く」「海外のアパルトマンのようにオーダーして貼った床や、ロンドンで買ったキリム。目黒通りの家具屋さんで、軽井沢・万平ホテルやアイスランドのアンティークマーケットで……時代や国を飛び越えて集まってきたものたちが、静かな存在感を放つ」などなど。もう今さら「フィッシュマンズって誰ですか?」とか「キリムって何すか?」とは言えないこの空気。登場するパパママたちはデザイナー、クリエイター、料理研究家、フォトグラファー、エディターなどが多いので、そういう職業の方だけがご存じの隠語か何かだと自分を納得させました。

 「自分で図面を引くのでと言って電気と水道工事以外は美大時代のみんなに手伝ってもらいながらやりました」「子どもにはデザインとか料理とか、うちらの趣味を押し付けていこうかなと(笑)。変わった友達もいっぱいいるので、極力触れ合わさせたい(笑)」など、慣れないオシャレコミュニティー語りに耳を傾けていたら、滅入ってきました。

 しかし、キラキラの自然光のその裏には必ず陰があるというもの。生身の人間のドロドロした部分を、ポップでキッチュな世界観でないことにしてしまっているのが、この手のオシャレプロパガンタ雑誌の恐ろしいところです。「nina’s」の場合、巻末の辛酸なめこ氏の連載でバランスを取ろうとしているようですが。筆者を不感症にさせたインタビューや読者のお宅拝見を何のてらいもなく読み進められる読者は、相当ニッチなのでしょう。
(西澤千央)

『nina’s (ニナーズ) 2012年 01月号』

クリエイターのダンナがいる人が読む雑誌。

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