『イケダン育成術―賢妻に学ぶ結婚生活を幸せにする技術』著者インタビュー

旦那がイケダンじゃないのは自分の責任!? 「イケダン育成術」は何を示唆する?

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『イケダン育成術―賢妻に学ぶ結婚生
活を幸せにする技術』(文藝春秋)

 イケダン、それはイケてるダンナ。女性誌「VERY」(光文社)から生まれた造語で、仕事をバリバリとこなしながらも家事育児も積極的に行い、家族を大切にする男性を指す。本書『イケダン育成術―賢妻に学ぶ結婚生活を幸せにする技術』(文藝春秋)は、自分のダンナを「褒めて、おだてて、感謝」して、うまいこと家事をしてもらい、「ごほうびにはプレモル(=ザ・プレミアム・モルツ)」、「毎日、ハグやキス」を習慣化して愛をフレッシュに保つ……といった、夫をイケダンに育てる数々の事例やヒントを記した手引書である。イケダン礼賛のこの時代、ダンナがイケダンになったら、本当に幸せはやってくるのか? 著書の杉浦里多さんにうかがった。

――「VERY」の定義ですと、「イケダン」って、お金を稼いで家事も手伝って、妻に都合のいい男性ですよね。そんなVERY妻の価値観には疑問を感じてしまうのですが。

杉浦里多(以下、杉浦) 確かに、「VERY」で謳われているイケダンは、一面的でややバブリーなイメージがありますが(笑)、私は、妻が”夫を素敵!”と思えば「イケダン」と呼べると思っています。妻が満足し、その結婚生活が幸せと思えるならば、それ以上幸せなことはないでしょう? 妻が夫に求める、社会的活躍の程度も家庭を大切にする程度も人それぞれですし、価値観や夫婦の組み合わせによって違います。実際、VERYによるイケダンの定義にも程度の設定はありません。 

 本書の中で「賢妻」と呼ぶ、幸せな結婚生活を送っている妻たちへの調査を見ると、「私は夫にお金や地位は望んでいません。健康で好きな仕事を続けることが彼の成功だと思っています」とはっきり書いていらっしゃる方もいます。また、旦那さんの家事の手伝いが多ければ多いほど幸せというわけではなく、ちょっとでも手伝ってもらえればすごく満足するという妻もたくさんいます。

――なるほど、別にぜいたくさせてくれるダンナがいちばんというわけではないんですね。だったら、なおさらイケダンという言葉は必要なのかなと疑問に思います。そもそも結婚自体が幸せなものなのか? とも。

杉浦 「結婚って本当に幸せなの?」「幸せって何?」という人には、逆に「あなたの幸せは何?」と聞き返します。自分にとっての幸せを突き詰めて考えている人は少ない。中には、結婚しないほうが幸せな人がいることも事実です。自分は本当に結婚する必要があるのかどうか、どんな結婚生活が幸せなのか、よく考えてみる必要があると思います。だから、この本は、結婚生活をもっと良くしたい既婚者はもちろん、これから結婚をする、特に「結婚して幸せになれるの?」「いい人に出会えない」と、結婚や相手探しに不安を持つ未婚者も考えを深めるきっかけになると思います。そして、積極的に「幸せな結婚生活を摑む」ことを選択してほしい。幸せは自分でつくるものです。”素敵なダンナ”も、見つけるのではなく育てればいいのです。

 私は、結婚は多くの人にとって幸せになれる要素を多分に含んでいると思います。基本的に、人は社会生活を営み、誰かと何かを作り上げていく動物だと思うんです。確かに、情報も選択肢もたくさんあると、「別に結婚しなくたって充実できる」と思いがちなんですが、結婚とは、自分を心から愛してくれる人がいて、自分も思い切り愛情をかけることができる。また、家族や大切なものが増え、同じ方向を見て歩んでいく人がいるということ。そう考えると、いいことづくめではないでしょうか。つまり、イケダンとは、最高のパートナーを得る&育てる秘訣、が”現代風”に表現されているわけです。

――ただ「良い結婚をして幸せになりたい」と言う前に、まず自分がどうなれば幸せなのかはっきりイメージできなければならないというわけですね。

杉浦 自分の”幸せ像”がはっきりして始めて、そのために自分は何をすればいいか考えて行動できるんです。自分の”幸せ像”が曖昧な人は、どんなに素敵な人と結婚しても、アラを見つけて文句を言うと思いますよ。

――ここ数年、「草食男子」「イクメン」「イケダン」など、女性側から男性を形容する言葉が増えています。

杉浦 そうですね。震災前は「イクメン」(育児に積極的な男性)や「カジメン」(家事をこなす男性)など、女性的な領域に積極的に関わる男性がよしとされ、中性力が高まっていた時期でした。しかし、東日本大震災発生後、女性は「自分は女である」とあらためて認識し、それにより男性にはもっと男性らしさを求めるようになってきていると思います。家事や育児や社会での活躍、どれも役割としてはボーダーレスですが、男性と女性という性の違いにある特性やその違いを認め、上手にお互いが補い合うというパートナーシップの関係は見直されてくるのではないでしょうか。また、家族や絆など本質的なことを考えるようになり、結婚への意識も高まってきています。

――杉浦さんにとってのイケダン像を教えてください。

杉浦 妻の人生の応援団です。お互いがお互いの人生を応援できたら素敵だなと思います。応援するには、理解や信頼や愛情、そしてそれをサポートする具体的な行動が必要ですから(笑)。ウチの場合ですが、主人とは、「それぞれやりたいことがちゃんとできて、サポートし合える関係がいいね」と話しています。例えば、夜、彼が勉強会に行きたいというときは私は早めに帰りますし、逆に、私が夜に仕事が入ったときは「早く帰ってきてくれない?」と互いにスケジュールを調整しています。単に「この日は遅くなるから」と言うだけではなく、なぜ遅くなるのかをちゃんと説明してお互い納得した上でサポートし合っています。

――それって「私にばかり我慢させて……」という状態に陥りませんか。

杉浦 自分のやりたいことがよく分からず、相手に合わせてばかりいると、「私ばかり……」となるかもしれませんが、自分のやりたいことが明確にあれば、相手に合わせることも”選択”の結果なので、被害者意識が生まれることはないと思います。実は、私もまったく不満がないわけではないんです。ここ数カ月、主人はすごく忙しくて、家事と子育てはずっと100%私の担当。仕事が思うようにできず、やっぱりストレスがたまります。そういうときは「もうちょっと早く帰ってきてほしい。私も仕事ができなくて困っているの」とはっきり言います。言わずに我慢していたら不満がたまるばかりですから。主人のほうも、理由を説明してくれるので、今は協力しています。

――「不満はため込まない」「ケンカではなく話し合いをする」は、まさに著書で書かれているイケダンの育成術ですね。

杉浦 婚活も結婚生活も仕事として捉えると、実はいいんですよ。発想転換です。主観や感情のまま、ではなく、客観的長期的視点で考えられるようになるんです。ちょっとした会話でも、「相手にこうしてほしい」というゴールが明確にあれば、そうさせるためにどのような言い方をすればいいか考えられます。多くの人はよく考えず、感情のままに非難の言葉を吐き出してしまうからケンカになるんです。誰でも職場やご近所付き合いでは、言葉遣いをよく考えるのに、なぜ家族にだけ感情的な言い方になってしまうのでしょうか。他人に頭を使うなら、いちばん大切な家族に頭を使う余力も残したほうがいい。独身の女性も同じです。職場でできていることを、なぜプライベートに応用できないのかなって思います。私はかつて、合コンに毎日行っても全然モテない負け犬でした。でも、上司の助言で、婚活にマーケティングのテクニックを応用すればいいと気づいたんです。それで2006年2月に「今年中に結婚する」と宣言し、5月に当時26歳の今の主人と出会い、10月に入籍しました。

――仕事ができる女性なら男性とのコミュニケーションもうまく取れるはずだと。「私は仕事をバリバリやっているから、結婚できない」というのは、単なる言い訳ということですね。

杉浦 言い訳です(キッパリ)。甘えや逃げで、問題を先延ばしにすることはやめたほうがいい。結婚の醍醐味のひとつに、家族を増やすということがあります。出産は期間限定。さまざまなリスクの可能性が高まる35歳のラインは甘く見てほしくないですね。本書は、独身の人にもぜひ読んでほしいです。恋愛術と結婚術は違います。結婚するには、「結婚したい」と思わせるすべが必要なんです。

 既婚者にとっても独身女性にとっても耳の痛いお話。本書は男性が妻に望むことが書かれているので、「妻にも読んでほしい」という男性の購買者も多いという。「VERY」なんて「イケダン」なんて私には関係ないわ、とお思いのあなた、あなたこそ読むべきなのかもしれませんヨ!
(構成/安楽由紀子)

杉浦里多(すぎうら・りた)
株式会社DELICE/ベターライフ&ワーク研究所代表。LVMHや仏高級宝飾ブランドで宣伝広報マネージャーを務めた後、P&Gジャパンで数多くのブランドオペレーションやマーケティングに携わる。現在は、独自のマーケティング×結婚をコンセプトに研修・教育支援、商品開発、マーケティングコンサルティングなどを行う。

『イケダン育成術―賢妻に学ぶ結婚生活を幸せにする技術』
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