【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

堕胎後、無計画に妊娠・結婚した夫とかみあわず3年で離婚【別れた夫にわが子を会わせる?】

2017/06/23 15:00
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中村珠美さん(仮名、40歳)

わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしを送り、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――?

第3回 中村珠美さん(仮名、40歳)前編

「いろいろあって3.11の後、こっちに来ました。昨年、8 年ぶりにようやく、(元夫との)やりとりを再開したばかりです」

 中村珠美さんは中学1年生の息子とともに現在、大阪に住んでいる。彼女が当時小学校入学を間近に控えた息子を連れて、知り合いのいない大阪に移住したのは、福島第一原子力発電所事故の後、東日本に放射性物質が拡散したのを受けてのことだ。当時の中村さんはシングルマザーとなって3年がたっていたころだ。移住後の生活はどうなのか? そもそも、なぜ別れたのか? いろいろと話を伺ってみた。

■新卒で就職した会社のボスとの間の子を堕胎、その後結婚

――結婚に至るまでは、どのように過ごされていたんですか?

「都内の大学に通っている間に編集プロダクションでアルバイトを始め、卒業後、そのままそこに就職しました。いざ働きだすと、ものすごく過酷でした。いかに寝ないでタフにいられるか――みたいな感じ。大衆的な男性誌のコラムを書いたり、アシスタント的な仕事をしたり。とにかく下っ端で、こき使われてました。そこには7年在籍して辞めました。というのも、妊娠したからです。相手に『子どもはいらない』と言われたんですが、私、それ以前に堕ろしたことがあって、そのことにずっと罪悪感を持っていたんです」

――堕胎されたときのお相手は?

「その編プロの代表です。年齢が20歳ぐらい上の、絵に描いたような仕事人間でワーカホリック。部下にはすごく厳しかった。彼がいるとみんな緊張して、シーンとしてるんです。自分の原稿を破られたり、ほかのスタッフが『無能』と罵倒されたりして、身がすくむ思いをするということは何度もありました。だから、付き合ってるときから、あまり喧嘩するっていうのがなくて、関係が全然対等ではなかったんです」

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