仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

「SNSで自慢する女」への嫌悪感を語る横澤夏子、その裏側に見える“見下し”の目線

2016/12/08 21:00
yokozawanatuko
横澤夏子オフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「男の人に好まれたいっていうのがすごく匂う」横澤夏子
『今夜くらべてみました』(日本テレビ系、11月29日)

 テレビが好む“ぶっちゃけトーク”は、視聴者の“共感”を引き出すためのものだろう。多少過激な方が、インパクトがあってよい。しかし、お笑い芸人・横澤夏子のSNSに関する“ぶっちゃけトーク”は、“余計なもの”が強すぎて、結果的に好感度を下げる方向にいってしまっているように、私には見える。

 11月29日放送『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)のテーマは、「トリオ THE いいね!を押せない女」。横澤夏子と女優・岡本玲、伊藤ゆみ(ICONIQ)が、番組MCのHKT48・指原莉乃らを交えて、「SNSで、『いいね!』を押したくない投稿をする女」について語った。ゲストが挙げた例は、以下の通りである。

1.タワーマンションに住んでます感を出す女(岡本)
2.グアムやサイパンの写真を載せる女(横澤)
3.わざとらしくブランド品や、ビジネスクラス、グリーン車など乗り物のクラスを載せる女(伊藤)
4.ジムやエステに行った写真を載せる女(岡本)
5.料理上手をアピールする女(伊藤)
6.感想なしでひたすらご飯をアップする女(岡本)
7.焼肉で男の手を映す女(横澤)
8.やたらと彼氏を出す女(岡本)
9.同棲しているのに、ボーダーかぶっちゃったという女(横澤)
10.音楽フェスで音楽を聞かない女(岡本)
11.音楽フェスでVIP席に座ってるアピールをする女(伊藤)
12.SNOWでしか撮らない女(岡本)

 横澤いわく、「2」のグアムやサイパンの写真を載せる女は、グアムに行ける経済力や、ビキニを着られるスタイルがあってこそなので、「全部自慢」なのだそうだ。岡本、伊藤両者にとっても、投稿に“自慢臭”が潜むかどうかは「いいね!」を押したくないポイントとなっているようだ。

 しかし特徴的なのは、3人とも自慢を感じるツボが違うことである。例えば横澤は、「2」の“旅行”、「7」や「9」の“彼氏の存在”などに“リア充”自慢を感じ、伊藤は「3」「11」の例に代表されるように、“経済的序列”や“上下関係”に、そのツボがあるようだ。岡本は、「4」について「(人から)ジムやエステに行っていないのに、きれいな女性だと思われている方がいい」、「9」について「(岡本は音楽が好きなので)フェスに行って音楽を聞かないことが理解できない」、「12」について「SNOWも時々ならいいけど」というふうに語るなど、岡本の中には、女性の行動に“こうすべき”という規範があり、そのルールから逸脱している自慢に、嫌悪を覚えるようである。ちなみに指原は「1」「4」「10」「12」について「いいね!」を押したくないと賛同していた。

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