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(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 婚外恋愛をしている女性たちから話を聞いていると、その表情が生き生きしていることにいつも驚かされてしまう。

 彼女たちの話は、堂々とは話しにくい内容だからこそ、「誰かに聞いて欲しい」という気持ちが強いのかもしれないが、それにしても、晴れ晴れとした表情をしている女性が非常に多いのだ。筆者がそう切り出すと、祥穂さん(仮名)はパッと明るく笑ってこう言ったのだ。

「当然だと思いますよ。婚外恋愛っていう関係だからこそ、私たち全力で恋をしているんです。中学生の頃の戻ったみたいなんですよ」

■娘のバースデーケーキを不倫相手の家に忘れた夫

 今回お話を聞かせていただいた祥穂さんは、大学生のお子さんを持つ40代の女性だ。小柄な体形にふんわりとしたパステルイエローのチュニックが似合う祥穂さんは専業主婦だったが、現在、夜のパートに出ている。

「比較的若い頃に結婚して、それからずっと専業主婦でした。夫が『お前はうちを守れ』というタイプだったので……そこそこ稼いでくれる方だったから、ありがたかったですね」

 ご主人との出会いは20代前半。1年半ほどの交際でゴールインした。

「夫とは年齢が一回り離れていますので、夫の方が早く結婚したがっていましたね。夫の実家が地方にあるまあまあ大きな家で、親戚づきあいも密ですので、早く祖父母に孫の顔を見せてあげたかったんだと思います」

 そんな夫の願いがかない、結婚してから間もなく祥穂さんは妊娠し、翌年出産する。

「同級生たちが遊んでいる時には、子育てに追われていました。うらやましかったけれど、『あと15年、20年後には遊べる、だから頑張ろう』って言い聞かせていましたよ」

 そんな祥穂さんが婚外恋愛に足を踏み入れたのは、今からまだ半年前のことだ。ご主人の浮気疑惑、そして、友人に誘われてアルバイトを始めたことがきっかけだった。

「夫が浮気してるかな、という疑惑は今までも結構あったんですけど……決定的でしたね。不倫相手と間違えて、私にメッセージを誤送したんですよ」

 ご主人の不倫相手は独身だったのだろうか、そのメッセージには「冷蔵庫にケーキ忘れて帰っちゃったから、よかったら食べてね」と書かれていたそうだ。そして、そのケーキは恐らく祥穂さんとのお子さんの誕生日祝い用だったという。

「想像以上にショックでしたよ。娘に買ったケーキを不倫相手に食べさせる鈍感さが、もう……今でも誤送信の話は一切していません。その方が夫も堪えると思ったんですけど、ちょっと、どうでもよくなっちゃって」

『妻と恋人 - おぼれる男たちの物語』 と言いつつ、断りきれないのが女のSAGAな気も amazon_associate_logo.jpg

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