【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

元カレと年に一度だけのセックス――障がいを持つ子の母が語る、活力剤としての“婚外恋愛”

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(C)いしいのりえ

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃない? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 婚外恋愛にはさまざまな形がある。毎日何通もメールをやりとりしてつながりを求めるカップルもいれば、月に一度のデート以外は一切連絡を取り合わないカップルもいる。それぞれのカップルが最も心地よいつながり方を模索するのが、婚外恋愛という関係を長続きさせる一番の秘訣なのだろう。

 しかし、今回お話を聞いた秀美さん(仮名)のつながり方は、あまりにもあっさりしていて驚いてしまった。1年のうち、2人がつながるのはお互いの誕生日だけ。年末の彼の誕生日には、メールと短い電話でのやりとり、秀美さんの誕生日である桜の咲く頃には、1年ぶりに彼と会い、抱かれる。まるで織姫と彦星だ。

「彼と付き合い始めてから、私の年始は春になりました。年に一度彼と会って、一晩中抱かれて、『よし、今年もがんばるぞ』って思えるんです」

 秀美さんは充足した微笑みを浮かべてそう言った。

■子どもには障がいがあった……

細身の体に柔らかい色のニットが似合う秀美さん。メイクは薄く、まっすぐな地毛はひとつに結ばれていて、ところどころに白髪も見える。一見、ごく一般的なアラフォーの専業主婦だが、一重のまぶたをゆっくりと伏せたり、質問の答えを考えるときに口元に指をあてる仕草など、女として“現役”だと感じさせる独特の色気を醸し出している。筆者がそう感想を述べると、秀美さんは照れたように「疲れているから、ぼんやりしているだけだと思いますよ」と笑ってみせた。

 高校卒業後、美容部員として働き出し、最初に勤めたコスメメーカーでは、勤労5年目の23歳で店長となった秀美さん。努力が報われた結果だと思うが、秀美さんはかぶりを振る。

「人見知りなので、会社をコロコロ変えるのが苦手なだけなんです。趣味もこれといってありませんし……休みが平日だから友達と遊びに行くこともなく、休日はたいてい1人で映画を見に行っていました」

 そこで知り合ったのが、今のご主人。映画鑑賞が趣味で、1日数館をハシゴするほどの映画オタクだそうだ。

「20代の頃は、私も主人のように1日に何館も映画館をハシゴしていました。そのうち、なんとなく顔を覚えて……この人も、映画の趣味が似てるんだなって感じたら、ちょっとうれしくなっちゃって」

年を取るほど、シワと同じように恋愛の形も増えていくのね

しぃちゃん

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