[連載]少年アヤちゃんの「イケメン紀行」

「DISH//」で味わう、思春期の抑圧で放たれる男の色香と罪悪感

2013/05/28 16:00

 そんな母性を刺激する魅力さもさることながら、同時にもう1つの「オスとして成長していく側面」、つまり彼らが「毛の生えたショタ」たる所以の部分も非常に味わい深く、その特徴を最もうまくあぶり出しているのが彼らのお決まりの衣装であるツナギです。一見すると、ダボついたツナギは繊細な少年の身体のラインを覆いかぶし、ペンギンのような幼いシルエットにしてしまう悪い物のように思えるのですが、白無垢における角隠しの如く、明確に抑圧の意図(この場合はショタであれという)があるからこそ、その反発として「おれは男だ!」とばかりにフェロモンが異常分泌されるようで、ライブ後に行われる握手会では子どものつもりで近づいて火傷するファンが続出。激しいパフォーマンス後で汗をかいているせいか、通気性の悪そうな布の向こうから強く男の色香を感じさせます。男体の神秘。なにより、「学校いやだ」なんて拗ねている普段の少年性とのギャップに驚かされ、女子たちは母でもない、オンナでもない前人未到の境地にハートを持って行かれます。そして生まれる罪悪感のようなものが、なぜか心地よいのです。

 こうして母性とエロスの合わせ技で女子を消費の渦にハメ込んでいるDISH//の勢いは、やがて、ノンケの男性にまで及び始めているようで、先日のライブではからかい半分で訪れたと思われる男性が「やべえどうしよう、すっげえかわいい……」と動揺しているのを目撃。恐らく「イケメン」と呼ぶには幼なすぎる彼らの甲高い声や童貞っぽい挙動に、父性のツボを押されてしまったのでしょう。いや、父性のようでありながら、どこかときめきも混ざった、やはり前人未踏のツボであったのかもしれません。「いやいや、ただの父性だよ! 父性だってば!」と必死で否定するノンケ男子たちの慌てっぷりが目に浮かぶようではありませんか。となると、彼らの巻き起こすムーブメントは計り知れず、ブラックホールの如く不特定多数の人を引き込み、巻き込んでいく兵器となっていくことでしょう。

 そんな中、個人的には、匠海くんが童貞を捨てた後の輝きを楽しみにしております。最初見た時はニヒルな決め顔から、「すごいヤッてそうだな」なんて邪推していたのですが、先述の不安定なブログだったり、なんとなく身体に芯が入ってない感じだったりを見ていたら、これは童貞に違いないと確信したのでした。「毛の生えたショタ」から、本格的なオスへと変貌する匠海……。もしかしたら、今のこのエロさなんて前座にすぎないのかしら? と、夢を見せてくれるところも込みで魅力的。やはりDISH//、底知れない集団です!

少年アヤちゃん
平成元年、消費税と共に生まれたブスでニートのオカマ。サゲマンJAPAN代表。ヤフオクで生計を立てる傍ら、ブスと環境をテーマにしたトークイベントを主催。
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最終更新:2019/05/17 20:38
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