[連載]そうだソルティー京都、行こう

悠久の時を感じる清水寺のすぐ傍で、ガチな商売っ気を出す地主神社

 京都は、世界屈指の観光地。そして女の憧れの地である。美味いもん食って、寺社を見て、お洒落して、勉強する。何でもかんでも「京都でする」のが女の憧れなのだ。女性誌はこぞって京都特集を組み、ガイド本や京都観光エッセイがボロボロ出版されている。確かに京都には歴史がある。名産品がある。美味がある……そして誰も取り上げないけれど「しょっぱい京都」もある。

 しかし京都のほんとうの魅力は、こういうソルティーなところにあるのだ。上品ぶっている女性誌では取り上げないほんとうの京都の姿を、しっかり焼き付けて欲しい。そうだソルティー京都、行こう。

【第10回 地主神社】

 京都に行ったらぜひとも足を運びたい寺社のひとつが、清水寺だろう。修学旅行のスケジュールにはまず間違いなく組み込まれ、参道には修学旅行生を魅了する土産物屋がザクザク並ぶ。ヒーヒー言いながら坂を登り切り、本堂にたどり着く頃にはイヤでも景色を楽しもうという気分になるだろう。

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清水寺と言えば、この舞台。ここは華美な色が一切排除された空間

 個人的には、本堂手前にある随求堂(ずいぐどう)で、2000年から始まったばかりの「胎内めぐり」がお勧めである。真っ暗闇を胎内に見立てて歩き、いろいろ感じちゃいましょうという霊場のひとつだ。お堂入り口にある小さな階段を下ると、一切の光が失われた漆黒の闇に包まれる。手すりを頼りによろよろと歩く。しばらく行くと、一筋の光が差し込んでいて、そこに梵字が浮かび上がっているのだ。「救い」ってこんな感じ? と思う神々しさ。

 さて、「胎内めぐり」に続き、清水寺のメインイベントのひとつ「本堂」を見終わったころに、やってくるのがこの「地主神社」である。清水寺の境内にあるこの神社、恋愛成就の御利益があるというので有名なため、ここをメインの目的としてやってくる女子も多かろう。

 しかし入り口を見た途端、「その御利益は本当に大丈夫なのか」と疑いたくなるのが、地主神社である。敷地は小さく、「清水寺の境内をお借りしています」くらいの位置にあるのだが、その”俺俺アピール”は、清水寺をはるかにしのぐ派手さなのである。

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突如現れる、大阪商売大繁盛ノリ。え、ここ?

 雄大な清水寺の本堂に比べて、境内が階段になっていて細く狭いこと、女子人気の高いことからいつ来てもいろんな人でごった返していて、まるで朝の魚市場に来たかのようである。

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いつだって原宿竹下通り状態

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日本人の奥ゆかしさはどこへやら。ガチな商売っ気で挑
まれてます

 境内には、おみくじだのお守りだのが山ほど売られていて、気をつけないとけっこう散財しそうだ。ちなみにここの恋占いおみくじを試しに引いてみたところ、「小吉」。微妙なお告げである。30分ほど居座って、おみくじを引いた女子たちの結果を後ろから覗き見してみた。おおざっぱな統計によると、「大吉」率は65%といったところ。恋愛おみくじで幸せな気分になりたい方は、松尾大社に行くことを強くお勧めする。

 ちなみに、某有名女性誌編集長に聞いたところ、この神社から「誌面に載せてくれ」という営業の電話がジャンジャン来るのだそうだ。つまり「恋愛成就」とマスコミに騒がれているのは、クチコミでも実績でもなんでもなく、単に神社営業部のたゆまぬ活動のおかげなんである。だったらおみくじの大吉率、もうちょっと上げてもいいのに。

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何もかもがバラエティーノリ。イエーイ!

 そしてこの神社のメインイベント、「恋占いの石」。ふたつの石の間を、目を閉じて無事歩き通せたら恋が実るという、無料で楽しめるアトラクションである。

 しかし、これが曲者。まず、いつでも人がごった返しているので、5mくらい離れておいてある石の間には、いつでもウロウロ人が行き来しているのである。これでどうやって無事に渡りきれというのか。

 そしてもうひとつ。石の向こう側は、下りの階段なのである。もし間違えて石を通り越してしまったら、恋が実る前に大惨事である。ゆえに、もう4、5回ここに来ている筆者ではあるが、試したことは一度もありません。命あっての恋愛なんで。

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なんだって階段がそばにあるんだ?

 まあ、清水寺に来たのなら、寄って損はないイベントの多い神社である。でももしここを目当てに来るのなら、もう少し考えてみよう。清水寺には参拝料がかかる。よって地主神社に行くのにも参拝料を払わなければいけないと思っているのなら、間違いである。アレは本殿を見るためのものなので、本殿を見ないのなら料金はかからないのだ。せっかく日ごろの運動不足を呪いながら坂を登ってきて、「本殿いらねえ、恋愛成就!」と思うのならば、参拝料は無用である。境内の地図を見れば、本殿に寄らずに地主神社へ向かう道が分かるはずだ。

 最後に、恋愛成就の神社と来たら、やらなければいけないのが絵馬拝読。ここで旅の疲れを一気に癒やす、名絵馬を発見した。

「年下の若くて元気のある、真面目で心優しい、ちゃんとした仕事に就いている男前でかつ一緒にいて楽しい、かつ私の言うことを聞いてくれる、そんな男性とすぐにでも出会えますように」

 無理だわ、と即答したくなりました。条件多すぎ。清水寺の重厚な歴史観を直ちにぶっ壊す、大阪商売繁盛ノリの地主神社にふさわしい、強欲っぷり。地主神社の大阪商売繁盛精神は、参拝者にまで乗り移ってしまうほど強力なようである。そうか、それが地主神社の持つパワーとやらか。お見それいたしました。

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最後にこの看板。確かに登録されてるけど、清水寺の
おこぼれで登録になったという話。虎の威借り切って大
いばりである。で、御利益は?

和久井香菜子(わくい・かなこ)
ライター・イラストレーター。女性向けのコラムやエッセイを得意とする一方で、ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、就職系やテニス雑誌、ビジネス本まで、幅広いジャンルで活躍中。 『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。

「輪るピングドラム お守り 荻野目苹果 -恋愛成就-」

お守りって結局何が決め手なんだろう?

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