五月女ケイ子の映画批評「イケメンの鼻の穴」 【1穴目】

浅野忠信が『ヴィヨンの妻』で見せた奇跡的なイケメンぶり

注目の映画に出演しているイケメンを、鼻の穴までズズイと観察。スクリーン越しに伝わる、彼らの隠したい恥部を五月女ケイ子がのぞいちゃいます! 

 太宰治原作の『ヴィヨンの妻』。浅野忠信、妻夫木聡、堤真一。3大演技派イケメンそろいぶみの作品です。泥棒したり、心中未遂したり、どうしようもない夫を、浅野忠信さんはナチュラルに演じてます。自然体です。「起きぬけ」。その言葉がぴったりくる、起きぬけイケメン浅野さんです。起きぬけなのに堂々としてるのが特徴です。あまりの堂々さに、女性の方がはにかみ、降参して好きになります。全裸の人があまりに堂々としてたら、こっちが悪いのかもと思うでしょう。それと同じです。いや、ちがうかも。でも、彼なら全裸でも堂々と直立しそう。それが彼の魅力です。

 ただ、雰囲気イケメンの部類の浅野さんが、もし背が小さくてハゲ坊主だったら、イケメンじゃないかもしれません。映画『バタアシ金魚』(1990年、松岡錠司監督)の浅野さんがそうです。中学水泳部員役だった浅野さんは、まさにイケてないグループ男子の代表格でした。あの頃を思うと、素敵になったと感慨深くなりましたが、姿は変わってもやっぱり『バタアシ金魚』と変わらない浅野さんでした。中学生男子の心。ダメな作家の新解釈だと思いました。意識的なのかそうじゃないのかは謎です。

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 起きぬけの人がそうなように、何を考えてるのか分からない人でもあります。この映画では「失敬だな。」「僕はね、死にたくて仕様が無いんです。」などの文語体+浅野さんの棒読み感で、何を考えてるか分からなさがアップしてます。やっぱり何も考えてないのかも。とも思います。でも、カメラを意識しまくるイケメンと真逆の方法で、奇跡的にイケメン度を上げる稀有なイケメンさんです。とここまで語ってきても、頭をよぎるのは広末涼子のラブシーンと、どアップの背中のほくろ。松たか子も体当たりだったし、イケメンが女性に完敗の映画でした。

■”鼻の穴”診断結果

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———-『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』はこんな映画———-

 秀でた才能を持つ小説家の大谷(浅野忠信)と、誠実なその妻・佐知(松たか子)。酒を飲み、借金を重ね、浮気を繰り返す破滅的な生活を送る大谷。借金を返すために飲み屋で働き始めた佐知、常連客の一人で大谷のファンである岡田(妻夫木聡)やかつて佐知の片想いで終わった男に好意を寄せられる。そんな中、大谷は愛人(広末涼子)と心中未遂を起こしてしまう。

出演:松たか子、浅野忠信、室井滋、伊武雅刀、広末涼子、妻夫木聡、堤真一
原作:太宰治 脚本:田中陽造 監督:根岸吉太郎 配給:東宝

TOHOシネマズにて公開中
公式HP

五月女ケイ子(そおとめ・けいこ)
脱力とインパクトが共存する、一度見たら忘れられないイラストと独特の観察眼によるコラムが人気の異才イラストレーター/脱力劇画家。現在「TV Bros.」「an・an」「ぴあ」などで連載中。書籍に『乙女のテレビ時間』(メディアファクトリー)、『五月女ケイ子のレッツ!!古事記』(講談社)ほか多数。テレビ、CDジャケット、演劇とジャンルの垣根を超えた活動を展開中。
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