【管理栄養士が厳選「ズボラ飯」のススメ】

マクドナルドを抑えた1位は? ハンバーガーチェーン「2023夏限定メニュー」をプロがジャッジ

2023/08/25 21:00
猪坂みなみ(管理栄養士)

CC BY-SA 3.0, Link

外食チェーン店の夏メニューが盛り上がりを見せている昨今。今回は人気ハンバーガーチェーンの季節限定メニューを管理栄養士の猪坂みなみ先生にジャッジしてもらい、ナンバーワンおすすめメニューを決めちゃいます!

バーガーチェーン夏メニュー(1)
バーガーキング「トムヤムシュリンプワッパー」

――今回はハンバーガーチェーンの夏メニューを見ていきます。ハンバーガーはいざ食べると罪悪感に苛まれたりするのですが、栄養的なメリットはありますか?

猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 商品にもよりますが、一般的にはバンズでお肉や卵、魚介類でできたパティなどを挟んでいるので、ハンバーガーひとつでエネルギー源となる「糖質」と、筋肉や髪、爪、お肌などの材料となる「たんぱく質」を同時にとれるという点が便利なメニューだと思います。野菜は少なめという難点もありますが、最近では野菜がたっぷり入っているメニューもあるので、そういったものを選ぶとより栄養面でのメリットが増えますね。

――ハンバーガーチェーンの夏メニューについて、栄養士目線で利点を教えてください。バーガーキングは「トムヤムシュリンプワッパー」という、エビのメニューです。おすすめポイントはありますか?

猪坂 こちらは、ビーフパティをサンドしたバーガーに、さらにエビがトッピングされているメニューですね。日頃不足しがちな魚介類をとれるという点が良いと思います。

 エビにはタウリンというアミノ酸が含まれています。タウリンは、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、高血圧を予防したりするのに役立つため、そういった健康診断の結果が気になっている人にはおすすめの成分ですよ。さらにエビには、アミノ酸や脂肪酸の代謝や正常な赤血球をつくるのを助けてくれるビタミンB12も含まれています。

 ただしこのバーガーは脂質が多く、ボリュームも満点である分、1つで700kcal以上もあります。サイドメニューを合わせたいときは、ポテトやナゲットのような脂質の多いメニューは避け、シーザーサラダをチョイスすると良いですね。野菜の補給にもなります。

バーガーチェーン夏メニュー(2)
ファーストキッチン「ゆず胡椒香るおろしバーガー」

――ファーストキッチンは「ゆず胡椒香るおろし鶏竜田バーガー」と「ゆず胡椒香るおろしバーガー」ですが、どちらがおすすめですか?

猪坂 どちらも爽やかなゆず胡椒の刺激と、大根おろしのさっぱり感を楽しめそうなメニューですね。ゆず胡椒には「胡椒」と名がついていますが、ゆずの皮と青唐辛子をすり合わせた調味料で、実は胡椒は入っていません。青唐辛子に含まれる辛み成分である「カプサイシン」には、食欲を増進させる働きがありますので、暑くて食欲が出ないという日にも向いていますね。さらに、カプサイシンを摂取すると体内でアドレナリンが分泌され、脂肪代謝が促進されるという特徴もあります。

 この2つの中でのおすすめを選ぶとしたら、「ゆず胡椒香るおろしバーガー」。「ゆず胡椒香るおろしチキン竜田」のほうは衣をつけて揚げた鶏肉がサンドされており、脂質の摂り過ぎにつながりやすいためです。

 反対に「ゆず胡椒香るおろしバーガー」のほうは1つ食べても400kcal以下なのでハンバーガーの中では低カロリーな部類ですね。ダイエット中でも罪悪感なく食べられるでしょう。

バーガーチェーン夏メニュー(3)
フレッシュネスバーガー「夏野菜マリネのガーデンサラダバーガー」

――フレッシュネスバーガーは「夏野菜マリネのガーデンサラダバーガー」をプッシュしています。こちらのポイントを教えてください。

猪坂 こちらのメニューは、彩りの良い野菜がたっぷり、3分の1日分も入っている点がおすすめポイントです。パプリカやズッキーニといった夏野菜のマリネに、2種のレタス、トマト、玉ねぎなど、合計で6種類の野菜を摂取することができるので、日頃野菜不足が気になっている人には特に向いていますね。

 こういった野菜に含まれているビタミンCは、夏の厳しい紫外線によるお肌や細胞のダメージを抑えてくれる働きがありますので、夏には特にしっかりとりたい栄養。そんな野菜をハンバーガーからたっぷりとれるというのは、とてもうれしいメニューです。

バーガーチェーン夏メニュー(4)マクドナルド「チーズロコモコ」

――マクドナルドはエビを使った「ガーリックシュリンプ」のほかに「チーズロコモコ」「ザク切りポテト&ビーフクリーミーハラペーニョ」がありますが、人気がありそうな「チーズロコモコ」について教えてください。栄養素的な特徴はありますか?

猪坂 こちらは、卵とチーズ、ビーフパティが入っているため、たんぱく質をしっかりとることができますね。また、これらの食材は、たんぱく質以外のビタミンやミネラルなどの摂取にも役立ちます。

 例えば卵には、骨や歯の発育を促進してくれる「ビタミンD」や、健康的な肌や粘膜・爪・髪の毛などの維持を助けてくれる「ビオチン」などが含まれています。そしてチーズからは骨や歯の主な構成成分となる「カルシウム」を、ビーフパティからは貧血予防に必要な「鉄分」などをとりいれることができますね。

 日頃、食べる食材が偏っているかも……という人は、このメニューのように色々な食材を一度にとれるハンバーガーを選ぶと良いかもしれませんね。

――最後に、この夏一番おすすめできるハンバーガーチェーンの夏限定メニューをひとつ選んで、理由も教えてください。

猪坂 最もおすすめの限定メニューとしては、野菜をたっぷりとることができる、フレッシュネスバーガーさんの「夏野菜マリネのガーデンサラダバーガー」を挙げたいです。

 自宅でたくさんの種類の野菜をそろえようと思うと、買い物や調理作業などでかなりの手間がかかってしまうものですが、そんな手間を省きつつ、ハンバーガーで手軽に3分の1日分の野菜を摂取できるというのは非常にうれしいポイントだと思います。

 夏にとりたいビタミンCを含む野菜が食べられるという点も良いですね。野菜不足を解消したい、という人はぜひ試してみると良いのではないでしょうか。

猪坂みなみ(管理栄養士)

猪坂みなみ(管理栄養士)

管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。

管理栄養士が厳選「ズボラ飯」のススメ

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最終更新:2023/08/25 21:00
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