コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

西野亮廣がエンタメ界で売れるワケ――後輩芸人に小バカにされる隙と「現実的すぎない」トーク

2022/11/03 21:00
仁科友里(ライター)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

西野に憧れる人へ……(C)サイゾーウーマン

<今回の有名人>
「周りを勝たす人」キングコング・西野亮廣
『トークィーンズ』(10月27日、フジテレビ系)

 2019年に亡くなった作家・田辺聖子さんの短編集『孤独な夜のココア』(新潮文庫)に、『石のアイツ』という作品が所収されている。売れっ子となったテレビドラマの女性シナリオライターが、売れない時代に同棲していたシナリオ学校で知り合った男性を回顧するという内容だが、その中で「売れる人」の条件として、隙があること、あまり性格が現実的でないといったことが挙げられていた。

 人がドラマなどのエンタメ作品を求めるのは、現実の世界から離れたいからという理由が少なからずあるだろう。いくら事実であったとしても、エンタメ作品で“身も蓋もない、つらく堅苦しい現実”を見せられたらゲンナリしてしまう。程度問題ではあるが、多少夢見がちで隙のある作り手のほうが、物語全体に救いが生じ、多くの人に愛される――『石のアイツ』で述べられていたのは、そういった意味だと思う。

 隙があり、現実的でなく、エンタメの世界で成功している。この条件を考えたとき、私の頭の中に最初に浮かぶのが、キングコング・西野亮廣だ。

 お笑い芸人としての活動のみならず、西野が描いた絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)は大ヒットを記録し、映画化、舞台化も実現させている。また、オンラインサロンの会員数は日本一、クラウドファンディングをいち早く導入させ、さまざまなプロジェクトを成功させてきた。

 そんな西野が10月27日放送の『トークィーンズ』(フジテレビ系)に出演。芸能界やエンタメを主軸とするビジネスで成功した経験をもとに、多数の女性出演者を相手に「信用できる人」「信用しちゃダメな人」の見極め方をレクチャーしていた。

 西野にはいい意味で、隙がある。芸歴からいえば、西野は同番組の女性出演者に上から物を言っても許される立場だったが、西野は満遍なくツッコまれている。

 若槻千夏に、「(信用できない人の条件は)全身黒ずくめの人」と言われ、西野は「俺だよ」と返していたほか、指原莉乃には「(オンラインサロンの会員数が)4万人いる人のほうが怖い」と日本一の業績を茶化される始末。また、かなり後輩の芸人である3時のヒロイン・福田麻貴にも「芸人の仲間に『(西野を)リスペクトしている』と言えない」と小バカにされており、しかし西野は「うるせーわ」というものの、特に怒った様子はない。

 これこそが「売れる人」の持つ「ちょうどいい隙」なのではないだろうか。「ちょうどいい隙」のある人の周りには人が集まり、その会話や関係性から新たなエンタメが生まれることもあるから売れるのだ。

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