コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

『さんま御殿』袴田吉彦のトークに考える、自称「さみしがり屋」男の厄介なところ

2022/09/15 21:00
サイゾーウーマン編集部

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

写真ACより

<今週の有名人>
「妻も仕事しているんで」袴田吉彦
『踊る!さんま御殿!!』(9月13日、日本テレビ系)

 週刊誌によって、有名人の狼藉が明らかにされ、SNSやワイドショーで“裁判”が始まる。「番組を降板せよ」「活動を自粛しろ」など、私からするとちょっと言いすぎじゃないかなと思う発言も見られるが、変だなぁと思うのが、“悪いこと”をしてもペナルティが一様でないところだ。

 例えば、俳優・渡辺謙は、女優・南果歩と2018年5月に離婚を発表。渡辺は17年3月、一般人女性との不倫を「週刊文春」(文藝春秋)に撮られており、記事を読むと、南の乳がん闘病中も不倫をしていたことがわかる。夫に不倫をされてうれしい妻はいないだろうが、特に妻が大病をしている時の不倫というのは、最悪のタイミングだろう。

 しかし、渡辺には「活動を自粛すべき」といった声はSNSにほとんどなかったと記憶しているし、当時『バイキング』(フジテレビ系)の司会・坂上忍は「謙さんでも不倫はダメなの?」と、国際派俳優であれば不倫を容認するかのような発言をしていた。

 また、こうした例もある。9月10配信のニュースサイト「文春オンライン」は、球界の不祥事を報道。球界を代表するスター選手である読売ジャイアンツの坂本勇人選手が、肉体関係を持つ一般人女性に対し、避妊をしなかったそうで、妊娠すると「本当は今すぐおろせよって言いたい」と逆ギレしたそうだ。中絶を強要された女性はうつ病に陥り、自殺未遂したという。

 読売ジャイアンツといえば、「巨人軍は常に紳士たれ」が球団創立者・正力松太郎氏の遺訓として知られるが、坂本選手は主力選手だからか、紳士とは真逆の鬼畜的行動を取っても、球団が試合に出さないなどのペナルティを科す様子はない。それだけでなく、スポーツ新聞やワイドショーも、この件に触れていないのだ。

 世間一般には、「不倫はいけないこと」「女性を傷つけるのは許されない」と言われているものの、結局、人によってSNSユーザーもメディアも態度を変えているわけだ。こうなると、有名人の不祥事に対するバッシングは、場合によって、単なるいじめと変わらなくなってしまうが、SNSやメディアの不平等裁判を自身に有利な形でうまーく切り抜けた人がいる。俳優・袴田吉彦だ。

 17年5月、グラビアアイドルとの不倫を「週刊新潮」(新潮社)に報じられた袴田。人気俳優でありながら、密会場所はアパホテルで、しかもポイントまで貯めていたという。そのショボさが功を奏したのか、今は不倫をネタにしてバラエティに出演。なお、不倫騒動が起きた後、妻とは離婚をし、昨年、一般女性と再婚している。

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