コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第604回】

いしだ壱成の“ツインソウル”“多重人格”“入院”……女性週刊誌全誌が注目する前途多難な人生

2022/06/07 21:00
神林広恵(ライター)

 そして「女性自身」「女性セブン」の2誌が取り上げているのが宇多田ヒカルの近況ネタだ。ネタ元は宇多田が8ページにわたりインタビューを受けたファッション雑誌「VOGUE JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)から。誌上での宇多田の発言を受け、「自身」と「セブン」がいろいろ“解説”を繰り広げているのだが、その対比が興味深い。

 まずは「自身」。宇多田が9年近く、週3という頻度で精神分析を受け続けているとの発言をクローズアップした。記事によると精神分析とは心理カウンセリングとは違い、無意識の領域を扱うもので、頭に浮かんだことを話し、分析家が解釈、生きづらさを感じている人に最も効果があるのだとか。なるほど、知らなかった。

 さらに精神分析に取り組むようになったのは自殺した母・藤圭子の影響が強く、その関係を「“いかに清算していくか”ということが、治療の焦点」だと説明、治療によって「そこから解放された」と精神分析家による解説を掲載している。

 一方の「セブン」は捻りが、そして視点が一味違った。インタビューでは母親や私生活にかなり踏み込んだ発言をしているが、しかし父親であり音楽プロデューサーであり、天才・宇多田ヒカルを二人三脚で育て上げた宇多田照實氏についてほとんど語っていない、ということに焦点を当てたのだ。

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